⑦
「ホントにホントにほんとぉぉぉぉ~にっ、おかしくない?」
「大丈夫っ、おかしくないって!」
「雫は美人なんだから、色気で年下男子をメロメロにしないと」
「……」
「そうそう、イケメンマッチョくんを骨抜きにしないとね♪」
「……」
ダメだ。昨日から何を言っても通じない。
そもそも、付き合いたいだとか、彼氏が欲しいだなんて言ってないのに。
そりゃあ、半年前までは欲しかったよ。
というより、普通にできるものだと思ってたしね。
だけど、何をどう頑張っても私には無理だということが分かったから。
今はもう、二次元の彼氏で十分満足してるのに。
中学部からの付き合いの二人は、私が高校入る前からずっと彼氏が欲しいと言っていたのを知っているから。
今がそのチャンスだ!とばかりに畳み掛けるように煽って来る。
今までも合コンをセッティングしてくれたり、彼氏の友達を紹介してくれたりしてくれたけど。
ここまで本気モードで煽り立てたりしなかったのに。
こっちからではなく、彼(津田くん)が南棟に1人で乗り込んで来たからなのか。
二人の圧が物凄い。
「雫、いい?歩き疲れたり、喉が渇いたり、会話に困ったら、彼の服をちょっとだけ抓んで軽く引っ張るんだよ?」
「え、何で?」
「それされたら、男はイチコロだから」
「……」
「それから、視線が合ったらこうやって、『ん?』小首を傾げてにっこり微笑めば全てOKだから」
何がOKなのか。
何故意思表示が、服をちょいクイッなのかすら分からないが、キラキラふわふわモテ女子が言うのだからそうなのだろう。
それが私にできるかどうかは、別問題で。
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