第46話
SSグループ本社。監視室。
仙石達は全精力を使って、聖飛達を探している。
「小屋を発見したようです」仙石の手下は報告した。
「調べろ。早く」
「はい。小屋の中を調べろ」梨本は手下達に命令した。
「小屋の中を調べろ」
――数分が経った。監視室内は切り詰めた空気が流れている。
「……どこにも居ません」梨本は手下からの報告を聞いて、仙石に伝えた。
「……あいつら、やはり、嘘を吐いていたか」
「どうしますか?」
「殺すな。人質にする。必ず、この島のどこかに居るはずだ。あいつらに逃げる術などない」
ドアを蹴って開ける音が聞こえる。
仙石達は、ドアの方に視線を送った。
「誰だ、貴様ら」
軍服のような服を着た者達が監視室に入り、仙石達に銃口を向けた。
「ステルス機関だ。動くな。手を上げろ」
監視室内に居る者達は、ステルス機関の命令どおり、手を上げた。だが、一人だけその命令に応じない者が居た。仙石だ。
「ふざけるな。私は新時代を創らなければならないのだ。こんなところで捕まってたまるものか」
「命令に応じなけば撃つぞ」
「うるさい」仙石は監視室内にある緊急用出口に向かおうとした。
銃声が鳴った。
仙石は床に倒れ込んだ。右足からは大量の血が溢れ出ている。
「お前達は邪魔をするのか。傷つく者をこれ以上増やしたいのか」仙石はステルス機関の者達に向かって、叫んだ。そして、両手を使い、立ち上がり、右足を引きずりながら、歩き出した。
「大人しくしろ」
「うるさい」
「撃つぞ」
「黙れ、黙れ、黙れ!!」
銃声が鳴る。
仙石の左足からも、大量の血が溢れ出ている。
仙石は、憎しみに満ち溢れた表情で、ステルス機関の者達を睨んだ。
「貴様達に何が出来るのだ。このまま何も変わらずに愚かな時代を繰り返す気か?私は……私はただ、皆が幸せになれる時代を求めているだけなんだ。それの何が悪いのだ」仙石は這い蹲って、緊急用出口に向かう。
「捕まえろ」
「ラジャー」
ステルス機関の者達が監視室に居る人々を取り押さえていく。
「放せ、放せ!私は……私はぁぁ!」仙石は取り押さえられても、必死に暴れて抵抗している。まだ、負けていない。終わっていないと言わんばかりに。
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