私が怖いこと


 カクヨムで活動するようになってから知りましたが『創作中のものが永遠の未完(=完結しない)で終わる』事を『エタる』と言うそうですね。

エターナル(永遠)+する、ということらしいですが上手いこと言うな~(笑)


 物語を好きで読んでいる読者にとって、エタる事は一番嫌なことでしょう。私も書きかけの物語はありますが、それはカクヨム上には上げないようにしています。何故なら完結する保証がないから。


 一話完結型の連載物や、番外短編は話が別ですが、中編~長編ものはできれば完結してから上げていきたい派です。


 何故なら、学生時代、好きだった書籍本でそれを喰らったことがあるからなんです~(泣)

基本タダのカクヨムならギリギリ仕方なしだとしても、購入した本でそれをやられちゃぁねぇ……。もしかしたら打ち切りだったのかもしれませんが。未だにラストがどうなったのか、気になってモヤモヤします(笑)


 その作品は今はなきコバルト文庫の作品で、……話はそれますがこのエッセイを書くためにちょっとネットで調べてはじめて知ったのですがコバルト文庫って恋愛小説中心のレーベルだったのですね(笑)色んなジャンルはありましたがその中でも恋愛系が強かったようです。私がコバルトで愛読していたのはファンタジー・ミリタリー・ミステリーで恋愛ものを一切読んでなかったから気づきませんでした……(^_^;)


 話がそれました(笑)


 その作品ははじめは挿絵が気に入って、いわゆるジャケ買いだったのですが、声の美しいある一国の王子が世界を想像した女神と仲良くなり、干ばつだったか何だったか忘れましたが国が窮地に陥った時、王子が歌を歌って女神に涙をこぼさせてその涙で国は救われます。しかし騙されて怒った女神が、国の一切の色彩を奪い、王子が国を出れば国は滅びるという呪いを国と王子にかけてしまいます。

国民は国が滅びることを恐れ、王子を幽閉し、王子は不死の呪いもかけられたので、何度転生しても王子に生まれ変わり幽閉される人生を強いられることになり。

どれだけの時がたったか解らなくなったころ、ある時有翼人種の姉弟がこの国に迷い込んできて、王子の運命が変わっていく……


 というようなお話しだったはず……です。


 この話、めっちゃ暗くて(笑)でも当時まだ厨二病にまだ足を突っ込んでいた私には刺さりまくってました(笑)


 国民のために良かれと思ってやったことが女神の怒りに触れて呪いを受けてしまう主人公(もののけ姫のアシタカみたいなものですね)、なのに主人公に助けられた国民は自分たちが滅びたくないがゆえに王子を閉じ込めてしまいます。自害してもまた自分に生まれ変わり同じ運命を辿る。もう何もかも諦めて、ただ無為に日々を送っているところに絶滅しかけの有翼人種の姉弟が迷い込んできたことで止まっていた主人公の時間が動き出します。


 これ、ラストが本当に辛くて、あんなに守りたかった国を捨てて国の外に出るんですよね。そうしたらぜーーんぶ夢のように国が消えてしまう。自分のせいで。


 その罪の意識を抱えながら主人公は有翼人種の姉弟と共に旅にでます。たしか自分にかかっている不死の呪いを解くためだったかな? それも自分の一生を終えるために旅に出るんですよね。


 怪我をしても治ってしまうから、旅の途中では死なないことを逆手に取って事件を解決したり(なので割と痛い目にあっている)。無感情な主人公を心配して有翼人種の姉弟は世話を焼いて少しずつ感情も取り戻していくのですが……このお話しの最大の罪深いところは、感情に乏しかった主人公が有翼人種の姉弟の心に触れ、どんどん生きる意欲というか生きている意味みたいなものを取り戻して来ていたのに、有翼人種の弟の方が瀕死の重傷を負い、それを助けるために自分の不死の力を使ってしまった。弟の方は「自分は死んでいいから呪いを解く旅を続けろ」と言ったのですが、主人公は彼を死なせたくなくて自分の不死の呪いを分けてしまう。そうすることによって主人公は自分の呪いを解くことが出来なくなってしまいます(呪いが解けたら有翼人種の弟くんが死んでしまうため)……ってところでエタったのですよ!!


 ――――――はぁ?!


 その後何年も続きを待ちましたが一向にでません……。まさかのファンレターも書きました、続きが気になって仕方ないと!でも続きは出ませんでした。


 あ、あんなに人の心をぎゅうっと痛めておいてラストはわからないままだとぉぉぉ!!


 ちなみにその作家さん、他にも色々書いていて、そちらは順調に進んでおりました。別シリーズも買って読んでいたのですが、私的にあんまり好きじゃない……。

というかなぜ好きでもない別シリーズを買っていたかと言うと、その別シリーズに出ていたヒーローが有翼人種で、エタった作品に出ていた有翼人種の姉弟が「もう自分の種族は絶滅寸前」みたいな事を言っていたわけですよ。ということは別シリーズのヒーローはどう考えてもエタった話の関係者(そんな事を匂わせる記述があった)。なので気になって読んでいたのですが結局わからずじまいーー!


 もしかしたら別シリーズの中で謎が解明されていたのかもしれませんが、好きだった方のシリーズとは違う明るいノリの作風についていけず(あの暗い感じじゃ売れなかったんだろうなぁ)そっちは最後まで読んでいません。


 ラストが解らず未だにモヤモヤしているのはあの作品くらいです(笑)


 なので、自分は人に読んでもらう作品は絶対にエタらせない! 読後感大切にする!! を激しく心がけてます(笑)


 ま、カクヨムは無料ですし、タダで読ませていただいてるので作者さんに「エタるな!」などとは言えませんが、書籍作家さんでそれをやるのは罪深い……出版社も打ち切るなら打ち切ると言ってくれ……もしくは適当でもいいから終わらせて(泣)心の区切りがつかんのよ(泣)


 自分の書いてるシリーズ物も、全部繋げずある程度来たら一旦完結という形になっているのもあのときの恐怖があるからです(笑)


 エタるの怖い……。


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