魔法特殊案件特務部の報告書

星月 猫

Case00:プロローグ

とあるセカイのとある国。


魔法と化学が共存するセカイで、いわゆる“警察”と呼ばれる組織の総本部……の、そのまた地下の最奥。


そこに、その部隊の本部を兼ねた詰所は存在する。



 ──曰く、所属する者は影に生きる。


 ──曰く、その者はこの世のモノとは思えぬ獣を連れている。


 ──曰く、彼らは“あちら”と“こちら”の狭間に生きる。



そんな風に噂される者たちが属する部署。



正式名称を、魔法特殊案件特務部……通称、魔特。



魔獣や幻獣と呼ばれるような、“あちら側”の生き物はあまり見られなくなっている現代。


しかし彼らは、居なくなった訳ではない。


それ故、魔特は“あちら側”が絡めば動く。

それこそ迷子捜索から、指折りの凶悪犯罪者への制裁まで幅広く。




これは、決して日の目を見ることのなくひっそりと──影の如く動く彼らの記録である。



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