25. 読者層を想定した創作プラン ~ 真野魚尾の場合

 言うまでもないことですが、小説やエッセイを執筆する際、読んでほしい読者層を考えて取り組むのは大切です。



◆自作の読者層を考える


 今回は宣伝も兼ねて、2025年1月現在連載中の自作品を例に取ります。


★『雅致(ガチ)百合学園トンデモニウム』

https://kakuyomu.jp/works/16818093080062396426


 タイトルからも明快であるように、女子同士の恋愛や友情を前面に押し出した作品です。

 コメディタッチで描かれた日常の合間には、学園にひそむ悪魔たちとのバトルや少年漫画風の熱い展開もあります。

 また、主人公たちが所属する軽音楽部を通じた、ガールズバンド要素もフレーバーになっています。


 本作の主人公・ことはいわゆる「オレっ娘」で、見た目もボーイッシュ、しかも敵となる悪魔たちと生身で渡り合う、人間離れした戦闘力の持ち主です。

 性格は思い込みが激しく大雑把。一方で、ヒーロー気質で仲間想いなところは、バトル物の主役として適任だと思います。



 想定されるメインターゲットは、百合好き・少年漫画好きの男性読者です。

 ただし、お色気要素が薄いこと(これには良し悪しありますが)も含め、恋愛パートへの注目次第では、女性読者にも訴求する余地はありそうです。




◆ターゲットを踏まえて設定を改変する


 そんな『雅致百合学園トンデモニウム』(以下、本作)ですが、実は原案が存在します。

 わたくし真野まのうおが約30年前に構想した漫画(※)です。


※近況ノートに当時描いた画像を載せています。

・主人公とヒロイン

https://kakuyomu.jp/users/mano_uwowo/news/16818093084856653896

・漫画版没ネーム

https://kakuyomu.jp/users/mano_uwowo/news/16818093083238016233



 当時は学業など私生活の問題や画力の限界もあり、計画はとんしてしまいました。

 ですが、設定などのアイデアはノートに書き留めてありましたので、多少は本作へと受け継がれています。



 この原案では、主人公・ことはバンドに加入する年上男性と恋愛関係を結ぶ予定でした。また、中学時代に付き合った元彼との経験アリという設定もありました。


 仮にこの設定を本作に継承させてしまうと、男性読者への受けは大分悪くなるでしょう。加えて、ギャグテイストな作風とのちぐはぐさも悪目立ちしそうです。


 そのため、リブートに当たっては、思い切った改変が必要と判断しました。


 手始めに、ことと親友関係にあったまいを恋愛関係に発展させます。女性同士なので当然、百合が発生します。


 そこで私の中の女神がささやきました。

 どうせなら全員百合にしておしまいなさい――と!




◆読者受けと作者の書きたいことをせっちゅうする


 結果、メインキャスト全員「女性が恋愛対象の女性」という、極端な作品が誕生したのでした。


 悪魔とのバトルやバンド活動など、他の要素は据え置きですので、ミスマッチ感がますます浮き彫りになります。ですが、それはそれで本作の味として機能するだろうと開き直りました。



 とはいえ、百合メインであることから、幅広い層に受ける可能性はまずあり得ません。そこでターゲットを絞り込むのです。

 すなわち、前述した百合好きの男性読者や、少年漫画に慣れ親しんだ女性読者です。


 本作は、アクションコメディという作風を踏まえ、できる限り一文を短くテンポよく、描写もくどくなりすぎないよう心がけています。これには、当創作論の肝である文章削減術を活用しました(1話あたり2000文字前後)。



★『雅致(ガチ)百合学園トンデモニウム』

https://kakuyomu.jp/works/16818093080062396426


 もし興味をお持ちくださいましたら、気軽にのぞいていただければ幸いです。

 2025年1月現在、全ストーリーの半分ほどまで進行中です。

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