君の目が

鈴乱

第1話 序


君の目が、好きだった。


僕を冷たく見下ろす視線も、

優しく見つめる視線も、

厳しく諭すような視線も……


僕には、それらの何もかもが新鮮に思えたし、何もかもが輝いて見えてた。


君の瞳に魅入られて、僕は他のものが見えなくなったけれど、僕はそれで、一向に構わなかった。


君だけ……君だけがいてくれれば。


君の目が注がれるのは、僕だけであって欲しい、とそう罪深く願ってしまうほどに。


君はもう、僕のことなど、忘れてしまったかもしれないし、思い出すのも嫌かもしれない。


だけど……僕にとって君は、ずっと変わらないあたたかい記憶に違いないんだ。






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