第6話 パチンコ店の裏の顔 

  さて、私にしてみれば、「ストレス解消法」の代表の、パチンコ打ちであるが、実は、このパチンコ業界に対しては、昔から、色々な噂話がある事は、良く聞いていた。




 それは、パチンコ全盛時代、全体で30兆円のお金が動くと言われた時の話である。




 まずは、良く言われたのは、パチンコ業界の脱税と、K国への不思議なお金の流れであった。




 大体、昔から、脱税企業のトップは、大概、パチンコ業界であった。これに業を煮やした警察は、目に見える形でと言う理由から、お金の記録が残るCR機に切り替えていったのである。




 次には、私がこの目で、実際に見た事例を元に、パチンコ店の裏話を、キチンと書いていきたい。




①まず、これは、35歳頃の話である。




 忙しい中で、たまに暇が出来ると、パチンコ店に顔を出すのだが、極小さな店で、直ぐに潰れてしまったパチンコ店で、実際にあった話である




 それは、30歳前後の、いかにも家庭の主婦らしき女性が、必死の形相で、パチスロ機に向かっていたのだが、全然、勝てないのである。




 すると、その女性は、急に、大声で鳴き始めたのだ。




「今日の夕食代も皆、スッてしまった。5万円も損をした。これじゃ、旦那に殺される」と、確か、そう言う事を言っていたと思う。


 私は、最高でも、一日に数千円で辞めるのだが、多分、パチンコ・パチスロ初心者であったろう。




 しかし、あまりに大声で泣くので、他のお客には、非常に、迷惑である。




 だが、ここで、信じられ無い事が起きるのである。




 遂に、店長が出て来て、


「あと、千円だけ、パチスロ機を回しなさい」と、そう言って店の奥に消えて行った。




 驚くべきはその後の事だ。




 今まで、ウンともスンとも言わなかった、そのパチスロ機は、大爆発して、あっという間に、ン万円分のコインが払い出されたのである。




 ここで、私が、何を言いたいか、少しパチンコやパチスロに詳しい人なら、即、分かるだろう。




 いわゆる「遠隔操作」が、実際にある事を、この目で確認したのだ。


「遠隔操作」とは、パチンコ店が、店の裏で、パチンコやパチスロの出玉を、無線か何かで、コンピュータ操作をする事である。




 現在では、パチンコ店の裏にある機械ではなくて、いつでも警察から逃げられるように、ノートパソコン等で無線で電波を飛ばして、「遠隔操作」をすると聞いている。




② この私が更に驚いた事がある。これも、この私が、実際、目撃しているので絶対に間違いが無い。それは、店側と手を組んだ「打ち子」の存在だ。




「打ち子」の話を知っていない方もおいでだろうから、簡単に説明すると、学生などのバイトを店が雇い、特定の出玉の多い台のみを打たせ、仮に、一日打って10万円から20万円の玉やコインを出させるのである。




 そのバイトは、自分の手取り分を、2~3万円を貰い、残りを店側に戻すのだ。




 周囲のお客は、それを見て、それほど出る台ならと、ついつい、余計に投資させるさせる、いわば完全な「おとり台」演出だ。




 私は、この目で、間違い無く見たのだ。




 で、当時、私は、パチスロ機「不二子2」を打っていた。この台が、好きだったのは、(株)平和の台であって、ルパン三世シリーズの場合、打っている途中で、突如、あのテレビ漫画のように、タイプライター音が鳴り響き、ボーナス確定などが起きるのである。




 さて、ある日曜日の朝、9時前から、パチンコ店の開店を、数人の常連客と待っていると、見た事も無い若者が一人、混じっていた。




 午前9時、開店と同時に、真っ先に、この「不二子2」のある台に向かって行ったのだ。当時、「不二子2」を好んで打っていたのは、ほんの数人しかいなかったのだ。




 しかし、その若者は、朝9時から夕方6時ぐらいまでの間に、現金に換算して、最低でも15万円以上を叩きだしたのである。




 この人間を、「打ち子」と呼ばずして、何と、呼べば良いのだろうか?




 以上の、①②の話は、この私が、現実に、この目で見た事実だ。




 パチンコ店の裏の顔なのである。

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