第5話 蒲郡連続殺人事件

### プロローグ

 愛知県蒲郡市はその美しい港町として知られていた。しかし、町を恐怖に陥れる連続殺人事件が発生する。6人の女性が犠牲となり、町全体がパニック状態に。連続殺人鬼の存在が噂され、誰もが疑心暗鬼に駆られていた。


1. **佐藤 美和子**(28歳)

- **職業**: 保育士

- **特徴**: 子供たちに慕われる優しい性格

- **背景**: 仕事帰りに姿を消し、数日後に遺体で発見された。


2. **田中 香織**(35歳)

- **職業**: 主婦

- **特徴**: 家族思いで、地域活動にも積極的に参加していた

- **背景**: 夕食の買い物に出かけたまま行方不明に。遺体は翌週に見つかった。


3. **山本 夏希**(22歳)

- **職業**: 大学生

- **特徴**: 明るく社交的な性格

- **背景**: 夜遅く友人との飲み会の帰り道に消え、遺体で発見されたのは2週間後だった。


4. **渡辺 真由美**(42歳)

- **職業**: パートタイムのレジ係

- **特徴**: 勤勉で責任感が強い

- **背景**: 仕事の後、自宅に戻る途中で姿を消し、数日後に遺体で見つかった。


5. **小林 由美子**(30歳)

- **職業**: 看護師

- **特徴**: 病院では患者に優しく接することで知られていた

- **背景**: 深夜勤務の帰りに行方不明になり、遺体は1週間後に発見された。


6. **高橋 理恵**(26歳)

- **職業**: OL

- **特徴**: 活発で仕事熱心

- **背景**: 通勤途中に姿を消し、数日後に遺体で見つかった。


警察は捜査に全力を挙げたが、事件の手がかりは少なく、犯人の特定には至っていなかった。町の人々は恐怖に怯えながらも、真実を明らかにしようとする努力を続けていた。


### 八代と加奈子の出会い

 ある晩、会合からの帰りが遅くなった推理作家の八代竜介は、蒲郡駅から自宅へ向かう途中、美しい女性・川上加奈子から家の近くまで同道を頼まれる。夜道の一人歩きに不安を感じていた加奈子を、自宅まで送り届けることにした八代。しかし、加奈子は黒い外套と黒眼鏡を着用し、義足を付けた男に後をつけられているようだった。


### 加奈子の訴え

 一週間後の夕方、八代の家に加奈子が飛び込んでくる。義足の男に付きまとわれたのだという。加奈子は、その男が出征前に一晩だけ共に過ごした戸籍上の夫・田中淳一だと語る。


### 加奈子と淳一の過去

 淳一の出征後、加奈子は空襲で家を失い、淳一の親戚筋である杉本家に世話になるうちに、淳一のいとこである杉本達也と恋仲になり、事実上の夫婦となった。しかし終戦後、復員した淳一は加奈子を探し出し、復縁を迫る。加奈子が拒否すると、それ以来淳一は加奈子を付け回し始めたという。


### 梅子の来訪

 その夜、加奈子の様子を心配した八代は、彼女を送り出す。ところが、今度は達也の妻・梅子が八代の家を訪れる。加奈子が取り乱していた理由を尋ねる梅子に、八代が淳一を恐れてのことであると説明すると、梅子はひどく動揺し、家を後にする。


### 達也の死

 胸騒ぎを覚えた八代は、杉本家を訪ねようとするが、家の前で近所の住人から変な物音と怒鳴り声が聞こえたと聞かされる。家に入ると、達也が鈍器で何度も殴られて殺されているのを発見する。さらに、加奈子も首を絞められて失神していた。その時、義足の足音が聞こえ、逃げ去る男の後を追うも、見つけることはできなかった。一命を取り留めた加奈子は、犯人は義足の男・淳一だと証言するが、それ以来淳一の行方は分からなかった。


### 藤堂の登場

 数日後、義足の男が逃げたと思われる道をたどっていた八代は、ゴミためを漁っている男に出くわす。その男は私立探偵の藤堂と名乗り、ゴミの中から義足の男が使っていたステッキと、偽の義足を掘り出す。


### 疑惑の浮上

 藤堂の発見と、八代も加奈子も義足の男の顔を見ていないことから、義足の男が淳一ではない可能性が浮上。二人は何度も警察の取り調べを受けることになる。


### 梅子の死

 ある日、達也の妻・梅子が毒を飲んで死ぬ。新聞は梅子が達也殺しの犯人だと報じるが、八代は何となく物足りなさを感じる。そんな八代に、真犯人が凶刃を向ける。


### キャスト

- 八代竜介:推理作家

- 川上加奈子:八代が助けた女性

- 田中淳一:加奈子の戸籍上の夫、義足の男

- 杉本達也:加奈子の事実上の夫

- 杉本梅子:達也の妻

- 藤堂:私立探偵


 犠牲者は8人

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