第5話 朝の通学時

爽やかな風が吹く朝。

大学の石畳がある階段を登ろうとすると、

誰かがを通り過ぎる。


「碧央、遅いぞ。早くこい!」

「今、行くつぅの……?」


履いていた靴紐が取れかかって、

屈んだ結愛のそばを碧央が気になり顔を覗く。


「君って……」


 友人が手招きしながら叫ぶ。結愛に声をかけるのをやめて立ち去った。

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