12話人殺しさん

「はぁ〜、何言ってんの私がいじめっ子で、人殺し、意味がわからな」


「零山凛れいやまりんん」


「「「「「「!!!!!!!!」」」」」」


空原が例の人の名前を言うと斬島達と斬島兄が反応し動揺を見せる。


「知ってるよな。お前達が、小学生から中学までいじめて、『自殺』した子だもんな」


空原がそう言うと斬島達に圧をかける。


すると、その圧にあえられないのか、斬島以外全員が下を向く。斬島は冷や汗をかきながら言う。


「何、を言っ」


「丁度良かったたんだろうなー、無能力者で、零山さんのお父さんがお前の、パッパの会社の社員だからなー」


「!!!!!!!」


斬島のお父さんが社長をしている会社『斬島カンパニー』。

大手の企業で日本でも1、2を争う会社だが、空原が言うには「日本外道会社ランキング一位の会社(空原がかってに作ったランキング)。悪どいことで稼儀まくっていて、由安に色々揉み消しを頼んでいたよ、しかも今の社長がめっちゃくちゃクズで無能、それでも会社がまだ日本トップなのは、先代の人がとんでもなく優秀な人だったからだ、まぁ、先代は今の社長に毒殺されて、今の社長になって今の悪どい会社になった。」と長々と言っていた。


私が斬島の言うことを聞いていたのもそれが原因だ。


この規唯は斬島カンパニーが多額の寄付があるおかげで成り立っている。


だから、学校にいじめことを言っても意味がない。


もし私が下手に学校に告発したら、学校から斬島に私が告発したのが伝われ、石田、山田、後藤がまたいじめられる可能性が高い。


なので、私は学校に斬島達のことを告発できなかった。


おそらく零山さんも同じだろう。


「零山さんは親思いのとてもいい子でそうだな、しかも頭の良い子、きっと分かってたんだろうな。いじめのことを誰かに言ったら、『お父さんが会社を辞めさせられる』って、だから8年間、零山さんは斬島おまえたちから耐えた・・・・・けど、斬島達おまえたちが零山さんの顔に一生残る傷を付けたらしいな、その翌日に零山さんは自殺してこれを残した」


空原はさらに斬島に圧をかける。斬島の体は震えて息が荒くなっていた。


空原は斬島達に憤怒と軽蔑が混ざった視線を向けながら懐に手を伸ばし封筒のようなものを取る。


その封筒には遺書と大きな文字で書かれていた。斬島はそれを見ると驚いた顔をし、声を発する。


「そ、それは、何よ」


「零山さんのご両親からお借りした零山さんの遺書だよ、両親の謝罪と斬島達おまえたちにいじめられていたことが書かれたいたよ」


それを聞いた斬島は取り乱し、慌てふためく。


「そ、それが凛さんのか、どうかなんて証明できないでしょ!!!どうせ、私たちがいじめたことも、遺書も、でっち上げたものでしょ」


それを聞いた空原は憤怒の視線を送り、残念そうに言う。


「そうか・・・・・残念だよ、出来ればこれは出したくなかったよ」


そう言うと空原は封筒を懐にしまい、持って来ていたスクールバックのチャックを開けながら言う。


「そうだな、この封筒が遺書だと証明することはできないな」


それを聞いた斬島はニヤッと笑う。


「だけど、斬島達おまえたちが零山さんをいじめていたことと俺たちが斬島達おまえたちを襲いかかっていないことを証明することはできる」


そう言うと空原は手袋のような物を両手に着け、手の関節などを動かす。


すると、さっき空原がチャックを開けたスクールバックの中から小型のドローンが出る。


「うおぉ!?」「何だ!?」


静まっていたクラスのメイト達が驚く。


ドローンはいつも授業の時に黒板代わりに使っているホワイトボードの前から1m離れた場所で止まる。


すると、ドローンのレンズが光り、ホワイトボードに映像が映し出される。


映し出された映像には顔に大きな傷痕がある中学生くらいの女の子が泣いていて言葉を振り絞るように言う。


『お父さん、お母さん・・・・ぐす、ぐす・・・・ごめんなさい、ごめんなさい』


それを見た斬島達は驚き、斬島が声を荒げながら空原に質問する。


「こ、これは!!!!!!」


「零山さんのご両親から遺書と共にお借りした映像だよ、零山さんのスマホにこの映像があったそうだ」


空原はそう言うと悔しそうな顔をする。


「本当は使いたくなかったよ、この映像はこの場にいる俺たちむけたものじゃなくて、お父さんとお母さんに向けた。

『最後の言葉』だったのに」


空原が言い終わると斬島は膝から崩れ落ちった。


その後映像は続いた。零山さんは泣きながら話した。斬島達にいじめられていたこと、これから自殺することを、

彼女は、ご両親に何度も何度も泣きながら謝り映像が終わった。


映像が終わると周りクラスメイト達がざわざわと話しだし、「これって」「斬島が」「嘘だろ」とクラスメイト達は斬島達に軽蔑の視線と怒りの視線を向ける。


そして、映像をずっと真剣に見ていた空原が斬島達の方向を向き斬島達に言い放つ。



「零山さんのご両親から伝言だ。『地獄に落ちろ』ってな」


空原は斬島の前に来て斬島の目線に合わせる。


「これで証明になったか・・・・・『人殺しさん』」


空原は冷たい声で斬島に言った。

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