3Eve原罪
寝ようにも寝れないのだな
この羽は、見えない翼が痛むから
永き人生に疲れ果て
輪廻の果てにここに来た
歓喜に呼ばれてやって来た
そう、わたしたちは、
幸せになるために生まれたのだ
世界が明日終わろうとも、
私だけの世界でも、
終末は近い、この世から
望まぬ牢から去る時だ
私は彼女をここに呼ぶ
聖夜に呼ばれて君は来た
万来の祝宴に
恵まれなかった者たちも
神の祈り、仏の眼
さながらここは万魔殿
[塔の上、詩人の部屋に少女が舞い降りる]
詩人
やっと来たか。なんと美しい。お前の名前はなんと言う?
少女
私には名前はまだありません。どうか、お好きなようにお呼びください。
詩人
そうか。では、その美貌をかの神話に喩えて、ヘレーネと呼ぼう。ヘレーネよ、こちらに来てはくれまいか?
[ヘレーネ、詩人の隣に]
永遠誓ったあの日から
花咲く園に立つ君を
一人で立つ君、探してた
夢は叶って、愛は満ち
さぁ、始めよう、原罪を
少女
素敵な詩。私のことを思う、あなたの気持ちがわかります。あなたの眼差しも、あなたの息遣いさえ愛おしい。この広い世界で私を選んでくれた人。あなたに全てを捧げます。
全ての命よ還りなさい
私はアニムス、あなたはアニマ
始まりは全
全能よ
神々の霊感を得し日より
この夜夢見て生きてきた
全ての人類、死の間際
迎えに行こう、この言葉
あなたが門を開けたから
世界を越えてやってきた
時流は永久に凍りつき
フリーズ、そして二人だけ
詩人
私はかねてより決めていたのだ。私の妻となるのは、お前のように賢く、そして優美な者だけだと。正しく、お前は私の最愛の人だ。私の運命の人だ。お前に会うため生まれてきたと、私は確信しているよ。
甘き接吻、犯される罪
世界は7日目を秘密裏に終える
終末の聖夜に、誰も知らない神話が
世界の始まりの音とともに幕を開ける
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