メロディの背中に

第13話 文化祭当日

文化祭当日、学校の校庭や教室は色とりどりの装飾や催し物で溢れかえっていた。音楽部のブースもその一角を賑やかに彩っている。華乃たち音楽部のメンバーは、早朝から会場の準備に追われていた。

「みんな、ここが最後の確認だよ！」と、華乃はメンバー全員に指示を出す。メンバーはそれぞれの役割に徹し、最後の準備を進めていた。

小鳥子はステージ上の楽器を整え、魔帆は音響機器のチェックをしていた。有沙は来場者の案内を行い、桃はフライヤーやプログラムの配布をしていた。菜な花は差し入れの飲み物を冷やしており、香織子はブースの装飾やビジュアル面の最終チェックを行っていた。

「これで全ての準備が整ったね。」香織子が確認のために声をかける。

「うん、あとはステージでのパフォーマンスだけだね。」華乃が自信を持って答える。

その頃、観客たちが会場に集まり始め、音楽部のブースにも多くの人が立ち寄るようになった。華乃たちは緊張と期待の入り混じった表情で、ステージ裏で準備をしていた。

ステージの幕が上がり、華乃たちの演奏が始まる。最初の数秒、音楽の力で観客の心を引き込む華乃たち。華乃はピアノの前に座り、指が鍵盤の上を滑らかに動く。小鳥子はフルートを持ち、魔帆はバイオリンを弾く。有沙と桃がバックグラウンドで音楽を支え、菜な花が声を合わせてハーモニーを加える。

観客たちの顔には驚きと感動が広がり、拍手や歓声が響き渡る。華乃はその光景に目を潤ませながら、仲間たちと共に最高のパフォーマンスを続ける。ステージの上では、彼女たちの努力と情熱が形となって現れていた。

演奏が終わると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。華乃たちは満足そうな顔で、観客に向けて深くお辞儀をする。仲間たちの顔にも笑顔が浮かび、彼女たちの努力が実を結んだことを実感していた。

「本当に素晴らしい演奏だったね！」と、観客の一人が華乃たちに声をかける。

「ありがとう！みんなのおかげで、ここまで来ることができました。」華乃は感謝の気持ちを込めて答える。

文化祭が終わる頃、音楽部のメンバーは達成感に満ちた表情で会場を後にする。彼女たちは、お互いの絆を深め、共に成し遂げた喜びを分かち合うのだった。