あひゃひゃ

東北地方から引っ越してきた井上って奴とゲームをしてると、井上はよく「神戸は大都会だ」と言った。東北地方ってそんなに田舎かね? と思いながら、そんな井上と過ごすのが楽しかった。ある日、学校に不審者があらわれた。青い作業服を着たおっさんで、「田島光利」と名乗っていた。そのおっさんは井上を見ると、持っていた鎌を振り回して「天から蜻蛉が降って来る」と歌い出した。井上は無理矢理作ったように「あひゃひゃ」と笑いはじめて、俺はその時はじめて井上が恐ろしく思った。不審者が捕まってから、俺は井上と話さなくなった。

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