【ボイスドラマ】私立・聖コープル女子高等学園「エロ研究部へようこそ♡」(※エロくはないです。矛盾では?)【「G’sこえけん」応募用に文章調整】
第1話(ボイスドラマ) エロ研究部・始動! ……えっ、部じゃない? え……どゆこと、じゃあ何なの……?
【ボイスドラマ】私立・聖コープル女子高等学園「エロ研究部へようこそ♡」(※エロくはないです。矛盾では?)【「G’sこえけん」応募用に文章調整】
初美陽一
第1話(ボイスドラマ) エロ研究部・始動! ……えっ、部じゃない? え……どゆこと、じゃあ何なの……?
「エロ研究部♡ 爆誕しました~っ、イエーイ!」
「ウェ~~~イ!」
ここ、私立・
一人は
あえて言おう。美少女の無駄遣いである、と。
そしてもう一人、抜群のスタイルと長身の、ハスキー気味の低めの声が魅力の
「いやー、ついにヤッちまったな……エロ研究部だぞオイ? お嬢様学園って有名なのに、こんなヤベー部を設立しちまうとか……ウチら完全にイカれてんだろ……!」
「ねっ、ねっ、ヤバイよね~っ……こんなんもう前代未聞っしょ! アタシたちの存在が、この学園に大きな
「いやもう今の時点で
「もはや
おバカ……もとい二人の女の子が仲良く盛り上がる、心温まるワンシーンである(配慮)。
と、妙に楽しそうなルナが、
「ね、ね、すみれちゃんもそう思うっしょ? ねーねー、どうどう今の心境は
「………………」
声をかけられたのに気づいていないのか、黙々と本を読み続ける少女。
彼女の名は
いわゆるメガネっ
そんなすみれが、少し遅れて反応を返す。
「……え? あ、私ですか? す、すみません、集中してて、すぐ気付けなくって」
「ウェイウェ~イ! ちょも~っ
「あ、はあ……
「いやアタシへの感想じゃなくてね!? てか寂しいコト言わないでよ
「は、はあ、
元気一杯なルナに、すみれが何か発言しようとするも、やや乱雑な言葉遣いのカヲリが割り込む。
「おいルナ、
「えっマジ? アタシ無意識にエロ部活動ヤッちゃってる? エロの
「ヤベーよ、間違いねーよ! さすがこのお嬢様学園でエロ研究部とか言い出したイカれた女だな……しかもミッション系だぞココ。逆に尊敬するよ」
「ふへへ、いやいやそんな……カヲリちゃんだってお嬢様学園とは
「褒められてンのか微妙なトコだが、まあまあ
「ちょっとアンタ何言ってんの、ホンットそれさぁ…………エロいよ! なんだか
「へへっ、かたじけねぇな……何かウチもテンション上がってきたっつーか、悪くねーかもなエロ研究部――」
おバカ二人(配慮ムリです)が好き放題に盛り上がる中、すみれがシンプルに思うのは。
(下品だなぁ……)
非常に率直な心の声、だがすみれは改めて声に出して発言する。
「って待ってください、お二人とも……待って、本当に待って、聞いてくださいって。だから、あのですね?」
清楚な文学少女が明かす、衝撃の事実とは――!
「ここ、部じゃなくて同好会ですよ?」
「「……………は?」」
「いえだって、今日きてない一人を入れても、四人しか所属してないですし……うちの学園、部としては最低でも五人は必要ですし。……まあ五人以上だったとしても、同好会スタートで様子見みたいな感じになると思いますけど」
「「………………」」
思いがけぬ事実に沈黙する二人――だが、ルナが慌てて(無駄な)抵抗をすべく反論を始める。
「ちょ、ちょちょっ……それはヤバイ、同好会はダメだってー!? だってさ……〝研究部〟ならさ!? まだ知的好奇心とかそういうのでイケるじゃん、
「あ、そういう恥じらいはあるんですね……基準がよくわかんないな……ていうか、その……エロなんとかっていうのも、違いますよ?」
「は? ……ちょ、待って待ってすみれちゃん、怖い……コワイよお! なんなの、何を言おうとしてんの!? アタシら何だっていうの――」
「〝文芸同好会〟ですよ」
「イヤーーーァ!? ナンデ!? ブンゲー、ナンデ!? 言ったじゃんアタシ、エロ研究部やろーよって言ったじゃーーーーん!?」
「
「見てねぇーーーっ!
「読んでくださいよ、それくらい我慢して」
「そらご
「だから、そういうことになっちゃうんですよ」
「うっ……うぉあぁぁぁ……恥ずい、恥ずすぎるうぅ……」
冷静に考えれば当然すぎる話だが、ガックリするルナに……すみれは追い討ちの言葉を。
「あとちなみに私達以外にも、第一文芸部と第二文芸部ってありますからね」
「ウボァーーーーー! じゃあもうアタシら三軍じゃん! 第三野球部じゃん! いや誰がクズの雑草じゃい! うわーーーーーん!!」
もはや駄々っ子のようにジタバタするルナ、「うーん」と呆れ気味なすみれ。
だがここで、抜群の運動神経と長身という恵まれたフィジカルを現在進行形で無駄遣いしている女・カヲリが、ルナへと語りかける。
「……いや待て、ルナ……考えてもみろ。ウチらが百歩譲って〝文芸同好会〟だとしても、だ」
「いえ百歩譲るまでもなく、その場で文句ナシの〝文芸同好会〟なんですよカヲリさん」
「すみれは黙ってな! この座れば
「! カヲリちゃん……それって、つまり……アタシたちは……!」
ハッとするルナに、カヲリが述べる結論とは。
「そう、ウチらのポジションは……言うなれば〝
「……
「ウチらまだまだ負けてねーかんな……いつかは天下の大将軍だぞオイ……!」
「いやあの、待ってください。色々と待ってほしいですけど、うーん、とりあえず……」
再度、サイドから切り込んでストップをかけるすみれが、指摘するのは。
「第三野球部とかキン〇ダムとかの話が飛び出すのは、女子高生の話題としてはどうかと……エロ研究とかそういうのが無いのは、まあむしろ良いんですけど……」
「なっ、すみれちゃん! 第三野球部、は、まあともかく……キン〇ダムは現役でしょーが! 実写化もしてるし! た〇お様の大活躍、見てないワケ!?」
「女子高生的にはせめてヤ〇ケンさんとかハ〇カンさんとかじゃ……いえまあ、好みを否定するわけじゃないですし、良さも分かりますけど……って、その話はもう良くって――」
「あっちなみに第三野球部を否定するワケじゃなくて。名作だけどね、名作だけどでもホラ、女子高生の話題としちゃどうかなって、さすがに思っちゃっただけってかね――」
「いえもう良いんですよ第三野球部の話も。掘り下げなくて良いですって。何なんですかもう、ここまで結構、第三野球部の話ばっかですよ。エロ研究とか何とかはどこ行ったんですか。いえまあ、しなくて良いんですけど、
大人しく見えて結構ツッコむ、そんなすみれに、ふとカヲリが尋ねる。
「ていうか……すみれこそ、よっぽど文芸部とか似合いそうなんだけどよ……何で第一だか第二だかのほうじゃなく、コッチ入ったんだ? ルナに誘われたのは知ってっけど……意外と付き合いイイ感じ?」
「え? ああ……いえ、気楽なので。第一文芸部は〝小説や創作に本気で取り組みたい人〟が所属して、第二文芸部は〝第一ほどじゃないけど創作したり、皆で読み合いしたりワイワイ楽しみたい人〟が所属する感じで……私は〝ボッチ上等〟派なので、同好会くらいが丁度いいんです」
「ほーん、なるほどねー……でも話してるカンジじゃ、結構マンガとかも知ってるっぽいし……意外とさっきから読んでるのも漫画とかだったりすんの?」
「いえ、普通に小説ですよ。ほら」
すみれが読んでいた本を反転して適当にページを見せると、なぜか怯えるルナとカヲリ。
「ヒイッ、フツーにショーセツ!
「やべーぞブンガクショージョだ! チックショー頭よさげなムーヴしやがってー! 調子に乗んじゃねーぞー!」
「うぐぐ、なになに……? 秘めた、あー、なにこれ……
「ハハハ……お二人とも、元気ですね」
つい失笑するすみれだが、ルナとカヲリは「ムムム、こりゃたまらん」とばかりに退散する。
「お、覚えてなさいよね! この、このっ……メガネが似合う知的美人~!」
「次は負けねーかんな! このインテリキャラがー!」
「やーい、すみれちゃんの美白の殿堂入り~!
「チッ、落ち着いた
「今日のトコは見逃してやるだけだかんね! 今度ゴハンいこーね♡」
「エロ研究部の設立記念だなァ~オイ~~~! じゃーなァ!」
「あ、はーい、お疲れ様ですー」
捨て台詞だか褒め言葉だか良く分からない言葉を残し、そのまま部室……部室? 会室? とにかく部屋を出ていくルナとカヲリ。
残ったすみれは、ふう、と息をついて、改めて読書に戻る。
「まだ時間ありますし……もう少し読んでから、帰りましょうか。続きは、と……」
名実ともに文学少女に相応しき、清廉ささえ感じさせる面立ちで、彼女が頭の中に反芻する物語とは。
(―――〝秘めた
官能小説だし、何なら一番エロ研究部してた。
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