不安のあな

ちょっとのことで

穴に落ちる男は

出るのもちょっとのことなのだけれども

人とのタイミングが合わなかったり、

ひとりで調べれば調べるほど深い穴にはまってしまい、

しまいには

せっせと穴を掘るために穴の中にいるみたい。


ある日、いつものように友だちが訪ねてきて

男がいないことに気がついて

穴の上でホットケーキを焼いてみたら、

男は今までのことがなかったみたいに

穴から出てきて

友だちとホットケーキを食べはじめた


もう顔には暗闇の色がなくなっていたんだって


よかったね。

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