ラストリモート~金髪幼女はカリスマ配信者?迷宮攻略と古の魔法「読書魔法(リーディング・マジック)」~

神崎ライ

序章

 全ては一冊の本から始まった……


 日本の中央に位置する地方にある閑静な住宅街に突如として出現した異世界の建造物「迷宮ダンジョン

 その存在は瞬く間にネットを通じて全世界へ報じられ、人々の関心を虜にした。


 迷宮内の資源を目当てに一攫千金を狙う者、ライブ配信を成功させてインフルエンサーとなる者など様々な猛者たちが集まってきた。


 ある日、現れた冴えない高校生と金髪の幼女コンビによる配信が爆発的な人気を生み出した。タブレットに登録された書籍から魔法を操り、次々と攻略を進めていく。

 配信を見た人々は、彼らが使う魔法を古の時代に失われた技術「読書魔法リーディング・マジック」の再来と騒ぎ立てた。


 人気配信者として駆け上がり始めたことにより、二人にとって因縁の相手とも呼べる人物も動き始める……


「ふふふ……やっと見つけたわよ。さあ、私の研究のために頑張ってもらいましょうか……」


 まだ二人は気が付いていなかった、日本史上最大の悪夢と呼ばれる事件へ巻き込まれてしまうことを……



「全世界におるわらわの下僕ファンどもに勇姿を見せつけるのじゃ!」

「どうしてこうなった?」

「当然じゃろ? わらわと栄光の架け橋を駆け上がろうではないか、ご主人殿」

「やかましいわ! 配信者になるつもりはなかったんだよ、俺は……」


 探索者へ割り当てられるライブカメラ付きのドローンの前で言い争う二人。すると常連リスナーと盲目的な信者からのスパチャとコメントが溢れかえる。


『今日も神々しい……』

『ちゃんとやる気を出せ! この間のスパチャを返せwww』

『今から迷宮へ行きます! 私も読書魔法で吹き飛ばしてください!』

『あ、コラ! 抜け駆けは卑怯だぞ! ルリ様のご活躍を拝見するため、正座待機しております』


 カリスマ的配信者となったのは全て計算通りなのか、それとも偶然なのか?

 様々な思惑が渦巻きながら舞台は着々と整えられていった……

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