#不気味な書き出し文藝 応募作


 水がシンクをたたく。規則きそく正しいと思わせて、時に一拍いっぱく置き延々えんえんと。


 男はその不規則な音で目覚めた。しかし、起きるにはまだ早い。再び寝ようとするが眠れない。


 仕方なく起き出して水道のコックを閉める。静かになった。


 男は再び眠ろうとするが、今度は静寂せいじゃくうるさくて眠れない。

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