君と鳴れたなら

星るるめ

君と鳴れたなら

いっそ架空の人ならいい


適当に愛でてそのうち忘れたろう


くだらない、って吐くとき


画面越しに見える背後の死神は


今日も静かに気づかせてくれる


人生にはタイムリミットがあるってこと


一つになどなれやしないよ


繋がった気になってる彼らもそう


どうしたってひとつとひとつは


合わせて「ふたつ」でしかないのだから


よく言うでしょう 人は誰も一人


幸福無双したって急に押し寄せる


謎の虚無感はきっとそのせいさ


混ざり合えない溶け合えない


体はただの入れ物だからね


それで僕は君に魂をよせて


できるだけ近い音になろうとする


その音色に溶け込める位置を探すんだ


だって魂は綺麗に重なると


一つになって鳴るんでしょう


ああ 君と一緒に鳴れたなら


それはどんな音なのだろうか


ああ 君とこの世に鳴り響けたのなら


神様は 世界は


僕らを祝福してくれるだろうか


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