秒針

@21wakana.

1日目

今夜も繁華街の路地裏で、煙草を吸って、酒を飲む。

使い古したジャージとTシャツとパーカー。

伸びきった髪に、たまにしか剃らない髭。

繁華街に出れば、不潔だって避けられる。

でも俺にはこれくらいがちょうどいい。

コンビニで弁当を買って、家に帰る。


狭く、薄暗いワンルーム。

散らばったゴミや脱ぎ捨てた服を足で退かして歩く。

ローテーブルに溜まったペットボトルとビールの缶を床に落とすように退けて、買ってきた弁当を置く。

冷えた床に座り、冷たい弁当を食べる。

テレビもなく、ただ静かなだけのこの部屋では、いつも掛時計の秒針が五月蝿く響くだけ。

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