デッド&ead ~ダークでボーンなエ・ロマン~

明知 宗助

第1話 辛気臭い仲間はお断り byベスケルト


「殺せ」


「嫌だよお前みたいな辛気臭い奴、ったら仲間になっちゃうじゃん。それよかタバコ持ってない?」


 死の間際、冒険者バーニンが見せた決死の意地は陽気な骸骨ベスケルトによって却下された。ダンジョンと呼ばれる薄暗い洞窟でのことである。


 復讐のため力を求めたバーニンだったが、ダンジョン入口付近でゴブリンにタコ殴りにされ、無我夢中で逃げ込んだ先が偶然ベスケルトの家だったというわけだ。


 肉片ひとつ無い白骨は御年マイナス100歳、あっという間に少年の全身をまさぐるとタバコが無いことを鼻で笑った。


「はあ、若いくせに型にはまりやがって、」


「俺は未成年だあああああ!」


 バーニン少年は反射的に殴りかかるもヒョイとかわされ、そのまま壁にぶつかって倒れこんだ。壁にはべっとりと血がついている。


「あ~ちょっとちょっと、そのまま死ぬんじゃないよ。確かこの辺に————あったあった」


 ベスケルトは山のように散乱したポーションの中からひとつを選び取ると、少年の頭にぶっかけた。回復のポーション、売ればひとつ数百万円はくだらない代物である。


「それ全部、回復ポーションなのか……?」


「あーダメダメ、やんないよ。これはお前みたいなのが来た時のために貯めてるんだから」


「なっ————」


 少年バーニンの沸騰しかけた頭にドボドボとポーションがかけられる。


 少年の身体はたちまち健康を取り戻す。


 しかしベスケルトはここで重大なことに気付いてしまった。


「あちゃーこっちに賞味期限切れ五〇年ものが残ってたか。やっちゃったよ、こっちを使うんだった」


 ベスケルトがポーションを賞味期限切れ順に並べている背後で、少年は静かに立ち上がり剣をふりかぶった。

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