神様の隠れ場所
夜刀神一輝
第1話魔導士マグヌス
屋敷 一 平凡な世間的弱者で童貞で死んだのが俺だ。
自分が異世界にいってもさざ波所か、波紋すら起こらないと思いつつも、神様が必死にお願いするので、神としての力もくれるからっていうから、この世界アイディアルに降り立つことにした。
周りは森、ここが一応俺の領域で神域になるらしい。
木が邪魔だなぁ、なんて思っていたら都合よく草原が現れた。
これも神の力か?とりあえず家が欲しいと思うと、ゲームの様に目の前にウィンドウが表れて、家のカタログが出てきた。
俺は一階が体育館よりも広く、片側がキッチンとまるで漫画に出てくる冒険者ギルドのカウンターみたいな場所がくっついたでっかい施設を選択。
二階にはでかい浴場と、都会人もびっくりの1DKの部屋が何部屋も並ぶバーカウンターや、ベランダ?外にでてバーベキューを2,30人でできそうなデッキがある。
三階はまだ未開放で、これは多分俺の想像力が足りないから、思いついたときに都合よく付け加える事が出来るようになっているようだった。
鏡で自分を見る。
男性の様で、角度によっては女性にも見える何とも言えない顔、もちろん元の俺の顔じゃない。
力も強く、体も強く、魔力?神力?なんて不思議な力もあって、空も飛べちゃう、これだけできても感動があまりないのは前の人生で未練がなかったからだろうか?
お客さんなんてくるはずもなく、俺は一人外で風に吹かれていうと、「なぅん」という声が聞こえた。
んと思って、振り向くと、でっかい美猫がそこにはいた。
青色で幻想的な明け方の夜空の様な青。
「あんれまぁ、でっかい猫だべ」
「なぅん、なぁ~~ん」
ごろごろ喉を鳴らしながら、体をこすりつけてくる。
幻獣幻想種 キャスパリーグ
キャスパリーグは名前を欲しがっています。
なんて出てきた。
安直だと思ったけど、そらと名付けた。
子猫の様な笑顔で喜んで飛び回っている、そら、嬉しかった様だ。
それにしても暇だなぁ、なんておもっていると、ピンポーンと音が頭に鳴り響きメッセージが浮かび上がる。
誰かが俺の領域にアクセスしたようだ。
OKを出すと、異空間の様な穴から両手足のない70台に見える老人と若いメイドが現れた。
「お初にお目にかかります。いずこにいる力ある者よ。おそらく神様だとは思いますが、この賢者である私ですらあなたの様な神を知らない、できれば名を教えてほしい」
「屋敷です」
「お屋敷様」
お、はいらないんだけど、まぁいい。
「その傷はどうされましたか?」
「うううううう、ごっほごっほごっほ」
メイドが前に出てきて言う。
「大賢者マグヌス様は悪龍、神と謳われる八大龍王の一角、絶望のラグナロクとの戦いで全力を超えた全力をだされ、全身の筋肉や魔脈をズタズタにし、魔力の暴走で手足まではじき飛ばされ、その身を捧げラグナロクを滅ぼしました。その結果今のお姿に・・・」
なんとも言えない話である。
人間の為に、頑張って戦った男の成れの果てがこんな姿でいいのだろうか?俺は悲劇が大嫌いだ、悲しい話を聞いて喜ぶ奴らが大嫌いだ。
「いつものように神に祈っていたら、異空間の入り口が現れ、ここにつながっていました」
「そうか、ではまず君の手足を直そう」
そういうと、二人は驚いたように目を開いた。
「壊死したこの手足、エリクサーですら治せるかわからない呪いまでかかっているのに治せるのですか!?」
俺は笑顔で頷いた。
「問題ないよ」
これくらいできないで何が神様だろうか?
男の手足を綺麗に直していく。
「あああああああああ!手が!足が!正常な感覚がある!!」
「マグヌス様!!」
喜んでいるところ悪いが、まだ治療は途中である。
「次は筋肉に魔脈を正常に、ちっ呪いがごってりジャムみたいにくっついてやがる。邪魔だな、綺麗に掃除して骨格から矯正、筋肉も柔らかく、魔脈もズタズタだ、分厚く大きな魔脈を再形成っと、こんなもんだろ」
「これは!?力が溢れる!!位階が上がっていく!」
キラキラと光に包まれ、みるみると男の筋肉や見た目が若く戻っていく。
「マグヌス様が!以前よりも若々しくなっていく!」
「力が漲る!絶頂期を超える!それも遥かに!!おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
元々は筋骨隆々だったのか、さっきまでの男の様子とは見る影もなく。
「なんという力の本流!こんな魔道の世界があったとは!?お屋敷様!ありがとうございます!魔道のさらにその先まで行くどころか、死にかけの私を治してくれて、なんと感謝すればいいか」
「なぁに、人類を救った功績に比べれば安いよ。よかったね」
「すぐにマグヌス様が健在になられたこと、各国にお伝えしてまいります!!!」
「私はこのままお屋敷様にお仕えしたいのですが?」
「お仕えって、別にそんなのいいよ。まぁここに住みたいっていうのも別に止めないけど」
「まずは各国にいって、私が健在なのと新しい主を得た事を説明しにいってまいります」
「いってらっしゃい」
「必ずもどってまいりますので!しばしお待ちください!!!」
そういうと、異空間の亀裂の中に走ってきえていった。
ふ~む、いいことしたのかな?病人が助かったって事でよかったことにしよう。
俺はあくびを一つして家に戻った。
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