第19話

デラは一息着くと「確かに修行も大切だが、皆が平穏なのも大事だと思う。」と静かに語った。マクはここはチャンスとデラに、「どうだ久しぶりにジビエ料理なんて、もしよければ腕を振るうぞ」と話しかけた。マクが言うには、この世には絶対に食う喰われるの上下関係がある。だから本能のおもむくままだと好きなように命を奪うが、デラほどストイックに仏教の修行を積むのは、難しい。そう話しかけてるちょうどその時大きさが3cmくらいの蜂がどこからともなく現れ「生命とは循環するものぞ。」とだけ言い残し姿を消した。マクもデラもシックスセンスで悟った。そうかワシらも前世はニワトリだったかもしれん。熊に生まれたら他の動物を食するという天からの摂理がある。それを自分に許さなかったのは、自分の優しさで他の動物が命を失うことを「酷い。」と捉え逆に天の摂理に反いてた。デラは一気に喋ると涙を流した。他の熊の気持ちがわかった。

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