宇宙逃避行
「……何処か、遠くに行きたい」
友人にそう愚痴った瞬間に、宇宙空間にいるなんて誰が想像できたんだ。握られている手の触覚が不自然に変化し、友人の肌の色が変わっていく。恋人は、明るく笑いかけた。
「僕の星においで! あ、ちなみに手を離したら死ぬよ」
……私は友人(?)の手を、強く握った。
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