届いてはいけない時に届いた報告書
報告案件 錯覚的首吊り死体
報告者
奈良県北部の綿咲村の製材所に、真新しい首吊り死体がある。この死体は製材所建家の北向きのガラス窓を、外側から肉眼で覗いた時にのみ確認できる。
他の窓や壁に空いた穴から覗いても死体は視認できない。建家の中からも視認できない。反射鏡や撮影機材を通しても視認できない。絶対条件として、北向きのガラス窓を肉眼で覗いた時にのみ、そこに死体があると認識できる。死体は作業着を着た二〇代と思われる男性。村の誰もこの男を知らない。
死体をただ視認するだけなら災害は起きないが、北向きのガラス窓や建家そのものを損壊しようとすると頚動脈に異常が起き意識を失う。何度も試行した村役場職員が最終的に廃人化した。
報告者は製材所建家の封印を要請している。対応できる部署があれば検討されたし。
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