第44話 またここにやってきた

校外学習のグループが無事決まってから数日が経過した。


俺は待ち合わせをしていた。


「お、お待たせしました~!」

田口さんがこちらに向かって走ってやってきた。

「遅くなってしまってすみません…」

「全然遅くなってないぞ。っていうか待ち合わせより早いし。俺が楽しみで早く来ただけだからな」

「私も楽しみにしてましたっ!実はお洋服選ぶのに時間かかっちゃったんです…えへへ」


田口さんはほんのり頬を赤くしながらそう言ってきた。

…うん、男子は今のでイチコロだろうね!

ちなみに田口さんはワンピースを着ているのだが可愛い過ぎてヤバイね、本当!


「めっちゃ似合ってるし可愛いと思うぜ!」

「ほ、本当ですかっ!?…森本さんに可愛いって思ってもらいたくて選んだのでそう言ってもらえてとっても嬉しいです!」

「お、おう…そっか」

「はいっ!」


田口さんはストレートに何でも言ってくるからめちゃくちゃドキドキさせられるな!


「じゃあ行こうか」

「あ、あの…」

田口さんはそっと左手を出してきた。

「手を繋いでもいいですか…?」

「…おう。全然構わないぞ」

そう言って手を出すとそっと俺の右手を握ってきた。

(めちゃくちゃ緊張するんだが!?)

「…えへへ。森本さんの手あったかいです」

「そ、そうか。それなら良かった」

「はいっ♪」

「今日はどこに行きたいとかあるのか?」

「森本さんと一緒ならどこでも行きたいです!」

(田口さんの俺への好感度がめちゃくちゃ高いような気がする…。勘違いかもしれないが)


というわけでまたここにやってきた。

そう、ショッピングモールです。

(本当、最近よく来てるよなここ)


「田口さんはここよく来る?」

「来た事はあるんですけど最近はあんまり来てなかったですね~。森本さんはよく来られてるんですか?」

「最近結構来てるかな」

「あ、あの…それってもしかして彼女さんと来られたりしてるんですか!?」

「友達だよ」

「ほ、本当ですか!?」

「本当本当。そもそも彼女いないし」

「そうなんですね!…良かった~」

「っていうか田口さんは彼氏いないの?」

「いませんっ!」

「そうなのか。田口さん可愛いから彼氏いるのかと思ってたよ」

「か、可愛いだなんて…!森本さんにそう言ってもらえてとっても嬉しいですっ…!」

田口さんは顔を真っ赤にしていた。

「森本さんスゴくカッコいいので彼女さんいらっしゃるんだと思ってました。」

「いないよ」

「…私にもチャンスあるかな」

「ん?なんて言った?」

「い、いえ、何でもないですっ!行きましょうっ!」


少し焦った様子の田口さんに手を引っ張られながら俺達はショッピングモールに入るのだった。

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