やる気がないなら帰れ!とダンジョン研修中に言われたので帰ろうとしたら未踏破の階層にきちゃいました。
ユッケじゃ〜ん
第1話
「やる気がないなら帰れ!!!!」
帝都ダンジョン5層のエレベーター前の広場に引率の教師の怒号が響き渡った。
(やった!!こういう時一度でいいから帰ってみたかったんだよね。
学生のうちに将来ちょっとネタになりそうな事というかそう言う感じのちょっと悪ふざけ。同窓会とかでお前ダンジョン研修中に怒られて帰った事あるよな〜とかそういう話を友達としたいじゃん)
かなりずれた感性を持つ少女
桜坂みのりは青春の1ページを刻むために行動にでた。
「分かりました。やる気ないので帰ります!」
「え?」
「え?って先生が言ったんじゃないですか?やる気無いので帰ります!」
「いやまてまて桜坂。そういう時はごめんなさい。気をつけます。とかそういう返しじゃなくて?」
「せんせぇ〜ごめんなさい。私のやる気スイッチはoffのままなのです。本当にどうしようもない私。可憐で美少女な私。私の中のリトル私がやる気が無いと言ってるので帰ります。あぁ私ってなんてダメな子なんでしょう。おろおろ」
しゅるしゅる〜っと電池が切れた人形のように身体の力を抜き倒れ込んで泣いてるふりをしてみる。
他のクラスメイトがクスクスと見慣れた2人のやり取りを笑って見ている。
「え、なんか毎度の事だけどすごいめんどくさい。一つ一つツッコミいれるのもしんどい。いいよじゃあもう」
「じゃあこれにて〜さよなら〜」
先生や他のクラスメイトの冷めたような視線が背中に突き刺さるがこれも大事な青春の1ページのため、グッと堪えてエレベーターのボタンを押し到着を待つ。
(昔やんちゃだったよね〜私って将来お酒飲みながら話すんだ。更生したOL美女。ビールが似合うな〜くぅ〜〜)
ピンポーン
エレベーターの到着音が鳴り鋼鉄の扉が重苦しい音を響かせながら開いた。
いつかやってみたいと漠然に思っていた事が出来たのと他のクラスメイトより早く帰れる事による喜びでクルクルとバレリーナのように踊りながら乗り込む。
「おい。明日反省文だからな!気をつけて帰れよ」
「え、ちょっとまって先生じゃあやだ。やっぱり帰らな」
最後まで言い終わる前に扉が閉まり反省文が確定してしまった瞬間である。
もう後の祭りなので切り替えて地上ボタンを押す。
「反省文か〜まぁいいや。最近噂のAIってやつに書いてもらおう」
(帰ったら何しようかな、ソシャゲの続きかな、あクレンジング切れてたから買お、あと夜ご飯は何しようか)
ぼんやりと考え事をしていたら
ズドン、という地鳴りにも似た轟音が響き渡った。
側頭部に感じた激痛に耐え切れず意識を手放す。
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