文豪転生記
狐伯
序章
「恥の多い生涯を送ってきました。」
太宰治「人間失格」より
とある青年の手記を借りて、自分の人生をこう表したのは何年前だっただろうか。この「恥の多い生涯」を昭和の時代に自らの手で終わらせた。と思ったら次は令和の時代に始まった。
─────────
「売れ行きはどうだ?」
突然声をかけられ、はっと顔を上げる。声の主は僕の父、
「まだお客さんはきてない」
今いる木ノ
「そうか、父さんは奥で作業してるから何かあったら呼んでくれ」
父はそう言うとまた店の奥へ引っ込んだ。父の背中を見送ると視線を手元へ戻す。視線の先には書きかけの原稿用紙とボールペン。僕、
「いらっしゃいませ!」
─────────
これは治希を含め、〝転生〟という共通の体験をした人が、多く集まる木ノ葉書店の物語である。
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