前のエピソード――第13話　希望の発見

部屋の外から響く足音に、メンバーたちは一斉に警戒した。リサは部屋の中に広がる緊張感を感じながら、素早く指示を出す準備を整えた。誰の足音かはわからないが、その響きがだんだんと近づいてくるにつれて、リサの心臓も急速に高鳴っていた。

「みんな、急いで！」リサは短く指示を出し、手早く魔法の呪文を口にした。彼女の手から淡い光が放たれ、クリスタルの中に浮かぶ情報が次第に消えていく。周囲のメンバーはその間、部屋の中で目立たないように身を隠し、証拠が隠されるのを待っていた。

足音が確実に近づく中、リサは焦りながらも冷静に魔法を続けた。クリスタルの中の情報はリサの魔法で無事に隠され、クリスタルそのものは目立たない場所に移動させた。彼女は最後の確認を行い、証拠が確実に隠されていることを確認した。

突然、部屋の扉が開き、アーサーが入ってきた。部屋の空気が一層重くなり、リサは微動だにせず、アーサーの姿をじっと見つめた。アーサーの鋭い目つきと冷徹な態度が、部屋の緊張感を一層高めていた。

「さて、俺がここに来た理由を話そうと思ってな。」アーサーは冷酷な口調で言った。その声には圧力があり、部屋全体を見渡す視線が鋭かった。

「先日の孤児院での作戦、実は誤情報に基づいた暗殺だった。これについて、君たちには責任を取ってもらう。明日にはここから出て行ってもらう。」アーサーは冷たく言い放ち、部屋全体を見渡した。

「それと、これからしばらくは俺がいない。解雇される君たちには関係のないことだがな。」その言葉が、まるで石のように重く、部屋の中に冷たい静寂をもたらした。

リサはほっとした息を漏らしながら、アーサーの後ろ姿を見送った。証拠が無事に隠されていることを確認できたので、次のステップに進む準備を始めなければならない。彼女の指示で、ノア、イーサン、ソフィアがそれぞれの持ち場で動き出した。

ノアは冷静に答えた。「わかりました。準備を進めます。」

アーサーが部屋を出て行くと、部屋の緊張感が少しずつ解け、メンバーたちはようやく息をついた。リサはクリスタルを再び確認し、その後「証拠は無事に隠せたけど、今後の対策を考えないと」とつぶやき、他のメンバーと共に次のステップを検討し始めた。暗い未来が待ち受けている中で、彼らは希望の光を見つけるために、一歩一歩進む覚悟を決めた。