第344話 クリス・ジョングの回想
目が覚めたら、トキワ別荘のベッドの上だった。
兄たちは先に帰ったと、ここの管理人のお爺さんとお婆さんに教えてもらった。
兄からの手紙を預かっているといって、手紙を渡された。
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親愛なる弟へ
お前の剣の腕は、ジョング領ではトップクラスだ、それは間違いない。
でも、トルダー王国の中ではと言われると、そうではない。
世界は広いのだ、お前より強いやつは沢山いる。
あの小さな獣人族のミケちゃんは、サバンダ獣王国の大会、子供の部で優勝した腕前なんだ。
負けたことは、悔しいだろ
だけど
弟よ、いまは成長の途中だ、これからもっと強くなるだろう。
だから、次の事を心に秘めて訓練を続けてほしい
見かけで判断してはいけない。
油断してはいけない。
自分の力を過信してはいけない。
そして、強くなることをあきらめてはいけない。
次に会う時を楽しみにしている、
兄より
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兄さんの手紙をもって、ジョング城に帰って父に会った。
「ほほう、あの小さな獣人の子に負けたのか。そりゃあ、そうだろう」
父は私が負けたのを当然の様に言いながら兄からの手紙を読んでいた
「あらあら、あの子そんなに強かったの。かわいいだけじゃないのね」
母は嬉しそうにしている。
ボクが負けたことが、当たり前のようん雰囲気に不満をもった。
それが、顔に出ていたようで
「クリスよ、バラッドくんが連れて来た使用人のほとんどが実力ではお前より上の者ばかりだぞ。気づいてなかったのか。経験不足のお前では相手の実力を見抜くのはまだ早かったか」
「えっ、あのほかの可愛い獣人の子達もつよかったの」
母が父に訪ねると。
「どんな訓練をしているか知らないが、強いよ。たぶん、ローズさんが鍛えてるんじゃないかな」
「あら、そう言えば、あなたローズさんに告白してふられたみたいね」
母が、手紙にも書かれていないことを言ってきたので、
「ど、どうして、それを知っているのですか母上!もしかして、兄さんが話しましたか」
「ポールはここには立ち寄らずそのまま学園に行きましたよ。侯爵家の嫡男が来ているのです影の護衛がいるのは当たり前でしょう、その護衛から毎日報告があるのですよ」
母の言葉に、何も言い返せなくなった、ただ顔を赤くするばかりだった。
「お前が本気で、結婚を考えるなら認めてやっても良いぞ。種族の違いや身分の違いなど気にしなくていい」
「私も、あなたが本気なら応援しますよ」
貴族では珍しい、恋愛結婚の父と母は私の恋を応援すると言い出した。
「とりあえず、強くなろうか。子供の獣人に負けるようでは、相手にされないだろうから。わたしが、稽古をつけてやろう」
「あなた、燃えていますわね。もしかして、獣人の子供を強くしたローズさんに対抗意識をもってませんか」
「そんなことは無いぞ・・・」
これまで、ちちピータ・ジョングは自分が強くなることで領を守ると意識が強かった。
ひとを、育てるのはジョング領騎士団長に任せっきりだったが、獣人の子達の強さを知って、自分の指導でどこまで強くなるのか試したくなったのだろう。
強くなるのをあきらめてはいけない。
兄の言葉を思い出し、その日から父との訓練が始まった。
来年クローラド学園に入学したら、成長した俺の実力を見せてやるぞと。
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