第20話夢枕に立つ亡き祖母

何も言えなかった。


「お戻りなされ!」


この一言で背中が楽に為った。


「お婆ちゃんもう上がったよ?」


「イズコ君が怖がっているからな、おばあちゃんは仏壇に手を合わせてくれないから怒っとったで?何度も夢枕に立ったけどイズコは気が付いてくれないし、思い切ってあんたの背中に降りたんやって。」


説得力が有ったと感じた僕はもう二十歳に為っていた。


 それから僕は、自宅に帰って早速、蝋燭の火を灯し線香を10本くらい焚いて手を合わせた。

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