お料理教室 2
揚げ物はこの世界にないんだよね。
「油で揚げるのか?それはやったことないな。」
とりあえず、説明。
一、じゃがいもをくし切りにして揚げて塩を振る。(細切りにしたり、薄くスライスしても美味しい)
二、豚肉をちょっと厚めに切って、それに小麦粉、卵、パン粉をつけて、油で揚げる。(それを出汁に入れて卵で綴じたり、ソースに潜らせたりしてもオッケー)
三、食パンを四等分し、溶き卵に砂糖を入れたものに浸し、フライパンで焼く。
フライドポテトと豚カツとフレンチトーストである。
ざっくりと説明したあとに細かい質問を受け付ける。
大体の説明が終わり、二人とも何となくイメージをもてたようである。
ここまで来て一つ、思い当たってしまった。
フレンチトーストは、朝御飯だ。
私は朝以外に食べたことがない。
……まぁいっか。なんでも良いって言われたし。
「一個つくってみるか。どれがいい?」
「あの、フレンチトーストは朝御飯でした」
「別に構わんよ。変な時間に食べに来るやついるし、軽いものがあったほうがそういうやつには嬉しいだろう」
そう?
「それじゃ、そのフレンチトーストってやつを作るか」
私の説明の通りフレンチトーストが作られていく。
ちなみに私は甘いものが食べはするが大好きというわけではないので、私が作るお菓子は甘さ控えめが多いのだった。
出来上がったフレンチトーストは、記憶の中の物と一緒だった。
皿に一片ずつのせて、味見をすることになった。
「なんで俺の分がないんですかぁ?」
悲鳴じみた、残念な台詞を吐くマルを無視して、私、ソラ、おじさん、おばさんでいただきます。
うん。記憶の中の味とも一致していると食べていると、他の三人が難しい顔をしている。
「どんな味何ですか?教えてくださいよ」
マルが必死に頼んでいる。
え、美味しくなかった?心配になり、三人をみる。
「なんだこれ?」
あっ。ダメな感じ?泣きそう。
「「美味しい!!」」(コクコク)
「なにこれ?ふわふわで美味しすぎる!」
「甘さも控えめで軽く食べれるな」
「いーなー。俺も食べたい!!」
感想は直ぐ言ってよ。
変な間があると不安になるじゃん。
ホッと一息。
「これがこんだけ上手いとなると、フライドポテトとトンカツの方も期待ができるな。あ、ソラ。お前が教えてもらったレシピも見せろ」
ソラがノートを大事そうに抱き締めている。
「はあ?新しいのを教えてもらったんだからいいだろ!今回だって、呼んでないのに勝手に参加してきたんだから!!」
しぶしぶといった感じでソラがノートをおじさんに見せている。
私はというと、今後人のあまりいない時間なら来れるかと思い、おばさんに利用時間内の混んでいる時間、空いてる時間を教えてもらった。
また、座敷わらし疑惑をかけられるといけないからね。
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