第22話
「今日は、ここだ掃除しろっ」
僕は、這いつくばって床を磨き始めた。力仕事だ。そうしないと床から光沢がうまれてこないから。
何より、不十分な働きをしたら御飯があたらない。それだけは避けたい。空腹の辛さは耐え難いものがある。ただでさえ、少ない食事しか出ないのだから。むこうから、子供の泣き声が聞こえてきた。
「出してよ、怖いよ~」
「黙って反省してろっ!」
「ごめんごめんよ~」
この家の子供が、父親にお仕置き部屋に入れられているのだろう…
また、兄弟でゲームの取り合いでもしたんだろうな…
ゲームかぁ、羨ましい話だ。
同じ子供なのに、僕は違う。這いつくばって掃除をする人間の方。
でも、館にいるより、人間らしくいられる今を幸せと思うんだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます