第6話

  暗闇の廊下

「ど、ど、どこに連れて行くんだよぉ」

「だまれ9番!」

「ぼ、ぼくの、まけぇ、だぁ、ごっごめん」

「ここだ!入れっ!!!」

ケイトは僕の尻を蹴飛ばした。

両手は後ろで縛られているせいで、顔面を床にぶつけそうになった。


「ここが何をする部屋か分かるか?」

「わからない」

そう答えたが、想像はできていた。

「まっ、すぐに分かるから安心しろっ」と冷たいケイトの声から、10分かからないうちに、僕の体は柱に縛られていた。

黒の部屋にいた、馬鹿力の2人には僕は抵抗できない。

「1番、2番、ご苦労!」

「室長、ありがとうございます」

ありがとうって何だよ……と僕は理解できなかった。

「よし、じゃあ今回は……」とケイトが、その2人に紙を1枚渡しニヤリと横目で僕を見ながら退室した。

まるで子熊みたいな男の子と、ゴリラみたいな男の子、そして僕の3人が残された。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る