第5話

 空白。

 空白。

 空白。

 その後もずっと、白色が続く。


 しかも、あとがきも奥付もない。

 作者が不在(書かれていない)の本は、もう「本」とは言えない。


 ただの落書き帳だ。



「とりあえず、これは渚さんに報告しとこう」


 

 僕は先にこの本もどきなるモノを、図書館司書の渚さんに教えてあげなければいけないと思う。

 

 きっと、いたずらの類だろう。


 僕的にはしっくりくる考え方ではないが、現状下ではそう判断せざるおえない。





 


 


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