第37話  絶望と希望

激しい戦いが続く中、レイナたちは次第に追い詰められていった。闇の支配者の力は想像を絶するもので、彼の魔法と攻撃は容赦なくレイナたちを襲った。広間の床には無数の亀裂が走り、天井からは崩れ落ちる瓦礫が降り注いでいた。


「これほどの力を持っているなんて…」エリオットが息を切らしながら言った。


「私たちはこのまま…負けるのか…?」アリシアの声にも、絶望の色がにじんでいた。


レイナは剣を握りしめながら、仲間たちの顔を見渡した。みんなが疲れ果て、傷ついている。しかし、心の奥底にはまだ希望の火が残っていた。


「まだ諦めないで…私たちはここまで来たんだ!」レイナは力強く叫んだが、その声にも一抹の不安が混じっていた。


その時、一人の仲間が前に出た。仲間の中でも特に頼りにされていたベネットだった。彼は決意に満ちた表情で、レイナたちに向かって言った。


「ここで諦めるわけにはいかない。僕が突破口を開く。みんなはその隙に攻撃を集中させてくれ!」


「ベネット、何を言ってるんだ!それは…」レイナが驚いて叫んだ。


「これは僕の選んだ道だ。みんなのために…そして、この世界のために。」ベネットは微笑み、力強くうなずいた。


彼は自らの魔法を最大限に引き出し、闇の支配者に向かって突進した。その瞬間、激しい光と闇の衝突が広間を照らし、まばゆい閃光が走った。


「ベネット!」レイナたちは叫びながら、その犠牲を目の当たりにした。


しかし、その犠牲は無駄ではなかった。ベネットが自らの命をかけて作り出した突破口は、レイナたちに再び希望を与えた。


「ベネットのためにも…私たちは絶対に勝つんだ!」レイナは涙をこらえながら、最後の力を振り絞った。


エリオットとアリシアも同じ決意を胸に、全力で攻撃を開始した。彼らの力が一つに結集し、闇の支配者に立ち向かった。ベネットの犠牲が生み出した希望の光は、レイナたちの心を強くし、彼らを再び立ち上がらせた。


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