「影の都市」

第30話 情報収集

キャンプの一角に設けられた仮設の図書室。古びた書物や巻物が並ぶ棚の前に、レイナたちのグループが集まっていた。キャンプの外では、夜の闇が深まる中、内部では最終決戦に向けた情報収集が進められていた。

エリオットは古代の書物を広げながら、眉をしかめていた。「これらの書物には、闇の支配者に関する情報がほとんど載っていない。ただ、影の都市に古くから伝わる伝説が少しだけ。」

アリシアは隣のテーブルで、巻物を丁寧に広げていた。「伝説や言い伝えが頼りになるかもしれないわ。ここに書かれている内容には、闇の支配者の力の源や、都市の奥深くに潜む秘密についてのヒントがあるかもしれない。」

レイナは彼女たちの側で、古い地図を広げていた。地図には影の都市の内部が描かれており、都市の中心部や重要な地点が示されていた。「この地図に描かれている場所を調べることで、闇の支配者の居場所や、彼の弱点がわかるかもしれない。」

彼女たちは一緒に書物や巻物を調べ、情報を整理していった。その過程で、新たな事実が次々と明らかになっていった。古代の文献には、闇の支配者が「虚無の祭壇」と呼ばれる場所で力を集めているという記述があった。そこでは闇の力が強化されるため、支配者の力の源となっているとされていた。

「この祭壇が、最終決戦の鍵になるかもしれないわ。」アリシアが言った。「闇の支配者が祭壇を中心に力を集めているのなら、そこに向かえば彼の力の源を断つことができるかもしれない。」

レイナはその言葉に頷き、地図に目を戻した。「祭壇は都市の最奥部にあるみたいね。そこに到達するためには、いくつかの障害を越えなければならないだろう。具体的な道のりや障害についても調べる必要があるわ。」

ローガンは少し離れた場所で、目撃証言を集めていた。彼はキャンプ内の住人や冒険者たちから、最近の都市内の動きや闇の支配者の行動に関する情報を集めていた。「最近、都市内での目撃情報がある。闇の支配者の手先が、祭壇に向かう道を守っている可能性が高い。」

「それなら、我々の戦略に修正を加える必要があるわ。」レイナが決意を込めて言った。「祭壇に向かう途中での戦闘や障害物を考慮して、準備を整えなければならない。敵の配置や罠についても、もっと詳しく調べる必要があるわ。」

情報収集が進むにつれて、グループは次第に戦略の見直しを始めた。新たな事実や隠された情報をもとに、最終決戦のための準備が整えられていった。レイナたちは、これから直面するであろう試練に備え、冷静に計画を立て直し、最終決戦に臨む決意を新たにしていた。