第20話 闇の支配者の最後

闇の支配者が地面に崩れ落ちると、都市全体に広がっていた闇の力が次第に薄れていくのをレイナたちは感じた。黒い霧が晴れ、廃墟となった建物が薄明かりの中でその姿を現し始めた。


「見て、エリオット。闇が消えていく…」レイナは息を呑みながら、都市が再び光を取り戻す様子を見守った。彼女の声には、安堵と感動が入り混じっていた。


エリオットもまた、変わりゆく光景に目を奪われていた。「本当に…これで、影の都市が元に戻るんだな。」


闇の支配者は最後の力を振り絞り、弱々しく目を開けた。「お前たち…なぜ、ここまでして…」


レイナは彼に近づき、静かに答えた。「私たちは、この都市を解放するために来た。あなたの支配が終わる時が来たんです。」


闇の支配者は苦笑し、弱々しく頷いた。「そうか…私は…ただ、力を求めただけだ…だが、その力は…私を滅ぼした…」彼の目に、一瞬の後悔が浮かんだ。


「支配者が力に溺れると、その末路は悲惨なものになる。あなたもその例外ではなかった。」エリオットが冷静に言葉を紡いだ。


闇の支配者は最後の言葉を残す前に、目を閉じた。「だが、覚えておけ…真の闇は、まだ…終わっていない…お前たちの前には、さらなる試練が待っている…」


その言葉が途絶えると同時に、彼の身体は灰となり、風に乗って消え去った。闇の支配者の最後の言葉は、レイナたちの胸に深く刻まれた。


「真の闇…まだ終わっていない…」レイナはその言葉を繰り返しながら、決意を新たにした。「私たちにはまだやるべきことがある。」


エリオットも同じ思いだった。「そうだな。これからも共に戦おう、レイナ。影の都市を完全に解放するために。」


都市が再び光を取り戻し始める中、レイナとエリオットは新たな冒険への決意を固めた。彼らの前にはまだ多くの試練が待ち受けているが、二人の絆はさらに強固なものとなった。影の都市での戦いは終わりを迎えたが、彼らの旅はまだ続くのだった。

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