第32話 ナチス副総統とレモンシロップについて。

 蝉の鳴き声が鈴虫の鳴き声に変わり、朝夕の風に涼しさを感じる今日この頃。夏の疲れ故ぐっすりゆっくり眠りたい夫に、だが今朝も妻は魔手を伸ばす!

妻「…あんさあ」

夫「…何?」

妻「かき氷食べたよ。上野東京博物館の、あれ、パンダの死体の皮をはぎ取って、中におがくず詰めてあるのが、あー、置いてあるとこ……」

夫「剥製ね」

妻「そこでナチスの副総統の、……あれ、ルドルフ・ヘスの名前何だっけ?」

夫「ルドルフ・ヘスね」

妻「そんでヘスとかき氷食べたんよ。……あれ、どっちがレモンシロップでどっちがイチゴシロップだっけえ?」

夫「知らんよ」

妻「なんでよ!知ってよ!」

夫(なんで僕怒られなあかんの―――?!)

妻「まあいいや。ヘスがレモンで私がイチゴってことで。食べてたらさ、私、『あなたもゲイなんですか?』ってヘスに言ったんよ」

夫「…うん」

妻「したら『なんで知ってんのお―――‼』って言われて、『妻には黙っててもらえますか』って言われた」

夫「うん」

妻「だからハイって言った」

夫「うんうん」

妻「ヘスってやっぱりレモンってくぁsfdxcふじこ…スヤア…」

夫「やっぱり寝るのかよ!」

 夏だろうと秋だろうと、やっぱり夫に安眠は訪れない!ちなみに妻はかき氷のイチゴが好きで、夫はソフトクリームのバニラが好きなのだ!


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