第3章: 夢を操る者たち

第6話 新たな仲間

ドリームスケープを救った夢見とルナは、一時的な平穏を手に入れた。しかし、彼らの旅はまだ終わっていなかった。夢の世界には、まだ多くの謎と危険が潜んでいることを二人は知っていた。


「次はどうする?」夢見はルナに尋ねた。二人はドリームスケープの中心部にある小さな村に戻り、休息を取っていた。


「まずは、この世界の他の守護者たちに会いに行くべきね。」ルナは地図を広げながら答えた。「彼らの助けを借りれば、もっと強力な夢の力を手に入れることができるかもしれない。」


「でも、彼らは簡単に協力してくれるのかな?」夢見は心配そうに言った。「もし敵対するようなことになったら…」


「そのために、私たちがここにいるのよ。」ルナは微笑んだ。「私たちの絆と信頼を証明すれば、きっと協力してくれるはずよ。」


その時、村の広場に集まっていた人々がざわめき始めた。夢見とルナはその方向を見つめると、一人の少年が群衆の中から現れた。彼は青い髪を持ち、鋭い眼差しで二人を見つめていた。


「君たちが、ドリームスケープを救ったという噂の二人か?」少年は興味津々に尋ねた。


「ええ、そうよ。」ルナは少年に近づき、微笑んだ。「あなたは?」


「俺はカイト。夢を操る者の一人だ。」カイトは自信満々に名乗った。「君たちの話を聞いて、力を貸してやろうと思ってな。」


「夢を操る者…?」夢見は驚いた。「君も夢の力を持っているのか?」


「ああ、そうだ。」カイトは頷いた。「俺は風の精霊と契約していて、風を操る力を持っているんだ。」


「それなら、一緒に来てくれないか?」ルナはカイトに頼んだ。「私たちは他の守護者たちに会いに行く予定なの。君の力があれば、もっと安全に進めると思うわ。」


「もちろんだ。俺もこの世界を守るために力を尽くしたい。」カイトは笑顔で答えた。「一緒に行こう。」


三人は村を出発し、次の目的地へと向かった。道中、カイトは自分の過去を語り始めた。


「俺の故郷も、夢の力によって救われたんだ。」カイトは遠い目をしながら話した。「だけど、その力を持つ者は少なくて、俺が選ばれたんだ。」


「大変だったのね…」夢見はカイトに同情の眼差しを向けた。


「ああ。でも、そのおかげで今の俺がある。」カイトは微笑んだ。「だから、君たちと一緒にこの世界を守りたいんだ。」


「ありがとう、カイト。」ルナは感謝の言葉を述べた。「君の力があれば、私たちはもっと強くなれるわ。」


途中、三人は広大な湖のほとりにたどり着いた。湖は美しく輝いており、その中心には小さな島が浮かんでいた。


「次の守護者は、この湖の向こうにいるはずよ。」ルナは地図を見ながら言った。「島に渡る方法を探しましょう。」


「俺に任せてくれ。」カイトは自信満々に言った。「風の力を使えば、すぐに渡れるさ。」


カイトは手をかざし、風を操って湖の上に橋を作り始めた。その光景に夢見とルナは感動しながら、カイトの力を頼もしく感じた。


三人は風の橋を渡り、無事に島にたどり着いた。そこには古代の神殿が立っており、次の守護者が待っているかもしれない予感がした。


「ここが次の試練の場所ね。」ルナは緊張した声で言った。


「うん。でも、カイトがいればきっと大丈夫さ。」夢見は微笑んだ。


「そうだな。俺たち三人なら、どんな困難も乗り越えられる。」カイトは力強く言った。


三人は手を取り合い、神殿の中へと足を踏み入れた。新たな試練が待ち受けていることを覚悟しながら、彼らは前に進んでいった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る