11.カフェ


 金曜日だったが、原宿は混んでいた。


 ゆっくり歩いていると色んな人にぶつかってしまった。僕は人混みをどうやって歩いていいのかいまだによくわかっていない。


 スマホでGoogleマップを見ながら歩いているので、余計に人とぶつかってしまう。


 歩きスマホはしたくない。だから、マップを開きながら歩いていると罪悪感を覚えてしまう。


 目的地まで後10分と表示されているが、この人混みだともう少し時間がかかりそうだ。


 そんなことを思っていると、急に人通りが全くいない裏路地に入った。急に雲で太陽が隠れたように暗くてじめじめした場所だった。


 その一番奥にあるマンションの5階にお店があるらしい。なんだか、ネットでメンズエステのレポートをしている動画を見たことがあるが、大体そんな感じの雰囲気だ。


 五階までエレベーターで上がる。

 Googleマップで表示された部屋まで歩いたが、どう見ても営業中の雰囲気ではない。不安でいっぱいになった。入り口に看板もなければ、明かりもついていない。


 カフェというより、バーや風俗でありそうな雰囲気だ。


 開いているのだろうか? そもそも本当に店だろうか?


 僕は不安になりながらも、扉をノックする。

 数秒後、中から人が出てきた。


 ——目の前が揺れた気がした。


 そこには。

 そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。そこには。


 ——ミルクの姿がいた。

 


 


 

 

 


 


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