第12話 エルドリアスとの対決
エルドリアスの姿が現れると、部屋全体が緊張に包まれた。彼は壮大な鎧を纏い、手に持つ巨大な剣が光り輝いていた。彼の目は冷たく鋭く、アルスたちを見据えていた。
「お前たちがここまでたどり着いたことを称賛する。しかし、この最後の試練を乗り越えられるかどうかは別だ。」エルドリアスは冷ややかに言った。
「僕たちは決して引き下がらない。世界を救うために、ここで諦めるわけにはいかないんだ!」アルスは決意を込めて答えた。
カインは剣を握りしめ、「どんな相手だろうと、俺たちは戦い抜く!」と声を張り上げた。
エリスは呪文の準備を整え、「私たちの力を見せてあげるわ。」と言った。
エルドリアスは微笑み、剣を振りかざした。その一振りで部屋中に衝撃波が走り、三人はその力に耐えながら立ち向かった。
アルスは素早く魔法の盾を展開し、エルドリアスの攻撃を防いだ。カインは隙を見て前進し、エルドリアスに向かって剣を振り下ろした。エリスは遠距離から呪文を放ち、エルドリアスの動きを封じようと試みた。
エルドリアスはその強大な力で三人の攻撃を巧みにかわし、反撃を繰り返した。彼の剣技はまるで舞踊のように美しく、しかし致命的だった。
「このままでは持たない…。」アルスは息を切らしながら呟いた。
「何か策が必要だ。」カインも焦りを感じていた。
エリスは一瞬の閃きを感じ、「アルス、カイン、私に時間を稼いで!強力な呪文を準備するわ。」と叫んだ。
アルスとカインはエリスの指示に従い、全力でエルドリアスの注意を引いた。エリスは集中し、両手を広げて強力な魔法のエネルギーを集め始めた。
「我が力を解放し、敵を打ち倒す!」エリスは高らかに呪文を唱え、その手から眩い光が放たれた。
光の矢がエルドリアスに向かって飛び、彼の防御を打ち破った。その瞬間、アルスとカインも同時に攻撃を仕掛け、エルドリアスはその連携攻撃に押され、ついに膝をついた。
「見事だ…お前たちの力は認めよう。」エルドリアスは微笑みながら言った。「しかし、真の試練はこれからだ。」
その言葉と共に、エルドリアスの体が光に包まれ、消えていった。彼が消えた後、部屋の中央に再び巨大なクリスタルが現れた。
「これが…エルダの遺跡の秘宝か。」アルスは息を整えながら言った。
三人はクリスタルの周りに集まり、その神秘的な力を感じ取った。クリスタルの中には、古代の魔法の力が宿っており、その力を解放するためには特定の儀式が必要だった。
「このクリスタルの力を使えば、世界を救うことができるかもしれない。」エリスは興奮気味に言った。
「でも、まだ多くの試練が待ち受けている。」カインは冷静に言った。「これからも気を引き締めて進もう。」
アルスはクリスタルを慎重に手に取り、「この力を正しく使わなければならない。僕たちの旅はまだ始まったばかりだ。」と決意を新たにした。
三人はエルダの遺跡を後にし、新たな冒険に向けて歩みを進めた。彼らの前にはまだ多くの試練と謎が待ち受けていたが、三人の絆と決意はどんな困難も乗り越える力となった。
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