7月22日

夏休み3日目、俺は友達のトモキとユウキと一緒に遊んでいた。場所は俺の部屋。遊んでいるといっても3人で他愛もない会話をするだけで各々別のことをしている。

「なぁ、せっかくの夏休みなのに僕ら男だけでだべってるの悲しくないか?」

ゲームをしているユウキがぼそっとそう言ったか゚、それには激しく同意したい。どうせならこんな狭い部屋で遊んでないで海でも行きたいところだ。

「ならお前が女の子を誘ってこい」

「遊びに誘えるほど仲良い女友達いないよ」

どうやらふたりが注目しているのは『男だけで』の方らしい。

「なんでこう俺には漫画の主人公たちみたいに可愛い幼馴染がいないんだ」

スマホでつまらなそうなラブコメ漫画を読んでいるトモキか゚そう嘆いた。

「おかしいだろ!平凡な男子高校生とか言っておいて幼馴染に胸の大きい先輩、からかってくる後輩がいる。しかも全員クラス1の美少女だそ、どこが平凡な男子高校生だ」

「主人公の資格ってやつだろ。そういう要素を持っている人が漫画の主人公になれるんだよ」

俺がよく考えないで返した言葉に2人は何故か食いついてきた。

「資格か、気が付いてないだけで実は僕達にもそういう要素あるかもしれないよ」

気が付いてないって、周りに美少女がいて気が付かないわけ無いだろ。

「どういうこと?」

「いや、ほら例えばさ、仲いい女の子がマスクと眼鏡をとったら実は有名なアイドルだったとか」

「そもそも仲良い女の子がいないよ」

自分で言ってて悲しくなってきた。

「じゃあ、男だと思っていた友達が実は女の子だったってのは?」

ユウキの発言に何故か納得したらしいトモキか゚俺の下半身を触ってこようとしてきたのでその手を抑えながら俺も発言した。

「そういうお前こそ、妹いるだろ。実は血が繋がっていなかったりしないのか?」

「気持ち悪いこと言わないでよ、びっくりするくらい僕と似てる。絶対に同じ血が流れてる」

一通り話し終えたあと、3人ともため息をついて会話は終了した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る