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    下・rebornへの応援コメント

     ウツギに雨や光が、針に見えるように、私にはこの文章ひとつひとつが、細かな針のように思えました。読んでいて「痛い」と感じました。それくらい私の心や身体を、支配する文字列、作品でありました。
     常識を植え付ける非常識な装置、という設定がとにかく秀悦で、それだけで物語に惹き込まれました。またその装置を博士が作る意味や、治安の悪い世界観も相まって、説得力のあるSFとして完成されていたように思います。私も見習いたいです。
     そしてなんと言っても二部構成のあり方が鋭かったです。「上・restart」にて、ムネモシュネで灯李を生き返らそうと、話の主題を伝えて、物語は暗点する。次に「下・reborn」で明点したときに(悪くいうと)生け贄とする家族を作っている時点で、一気にこの小説の光り方が変わりました。トモリに灯李を宿すのを、ノアにバレるシーンは、ここ最近で読んだ文章のなかで、いちばん衝撃的なものでした。これは褒めてるのですが、どう生きたら、こんなことを思いつくのでしょうか。
     展開も素敵です。トモリに宿った灯李が、自分が死んだことを予想した場面では「そうか移植した灯李も成長するのか」と、腑に落ちる点がありました。またこんなにも地獄みたいな流れを踏みつつ、最後はロウソクがひとつ灯るような、ハッピーエンドなのが狂気じみていました。ウツギのなかでふたり、しあわせになってほしいです。またそれ以上にノアとトモリの未来が明るくあることを、祈っております。
     中間選考の欄で、今年も筆入さんのことを見れて嬉しかったです。誠に勝手ですが、筆入さんには毎年、自分と近しいものを感じていました。四年前に必死に文芸に挑んだ記憶が、筆入さんと重なっていたのです。
     とてもとても応援しております。私も筆入さんの姿を見て、文章に向き合おうと思えました。長文になってしまいましたので、お忙しいようでしたら返信も結構です。ありがとうございました。

    作者からの返信

    読んでくださりありがとうございます! 

    「トモリに灯李を宿すのを、ノアにバレるシーンは、ここ最近で読んだ文章のなかで、いちばん衝撃的なものでした。これは褒めてるのですが、どう生きたら、こんなことを思いつくのでしょうか」

                  ↓↓↓

    端的に言うと、「恋は盲目」の極限状態のようなものです。少し自分の話になってしまうのですが、私は元カノと別れた時や好きな人にフラれた時、感情が暴走して今にも殺人でも犯しそうなストレス状態に陥ったことがあります。ウツギがトモリに灯李の記憶を移植したのも、ほとんど同じことです。「愛する彼女が死んで感情が暴走してしまい、こんな事態を招いてしまった」。このような展開は私の失恋由来だと私は考えています。

    恋愛は美しいし、素敵だけれど、失敗すれば誰かを傷つけることになりかねないのです。