第15話 ダリア・スティエット。

オルドスと話した日の事を思い出しながら、事態を見ていたミチトがヴァンを見ると、「んー…、面白そうだから」と言って、「ミチトさん、俺四式でグラスを呼んじゃったんだ。これ、魂の概念。ミチトさんなら呼べるよね?」と言ってグラス・スティエットをミチトに呼ばせると、ヴァンはとりあえずオブシダンを再度呼ぶ。


「え!?なんで!?終わったと思ったのに…?今度はグラスまで!?」と悲痛な声を上げるオブシダンに、ヴァンが「にひひ。ヘマタイトの召喚術で呼んじゃったから今度は俺が呼んだよー。グラスはミチトさんに頼んだから、最後まで居てあげなよ。せっかくグラスも呼んであげたからさ」と語りかける。


まあ、皆ずるい。

晩婚の子孫達を前に好き放題言う。


アクィは愛の証の中で見ていたのに、グラスの結婚が遅かった事を持ち出して、注意をする。


「え…、私はアゲートの事もあったし、ペリス様にはお許しを貰えてました。それこそ後を継ぐ兄様の為に世直しを行いましたし、引退後は良妻としてペリス様に尽くしました」


オブシダンからすればまた名前が出てきてしまい、「グラス!?僕は君にさっさと嫁ぐように言ったよ!?」と弁明を図っている。

ミチトはそれを呆れ顔で見て「煮詰まってるなぁ」と言うと、ヴァンが「そろそろだね」と言ってコードを呼んでしまう。


「コード!?」と言って嫌がるトゥモに、「あらら?どしたのこれ?」と言ってニコニコ顔のコード。


ヴァンがニコニコと「こんにちはコード。これは晩婚のヘマタイトにやる気を出させる為に、晩婚だったお祖父さんのオブシダンと更に晩婚だったトゥモを呼ぶ会なんだよね」と説明をする。


ミチトはコードの食器を用意して渡すと、早速肉を食べながら「おお、地獄じゃん」と言ってコードは笑い、ヴァンが「で、ここにコードを呼ぶとどうなるか見たかったんだよね」と説明をした。


「んー」と言ったコードはコーラルとグラスを見て「おお!」と喜ぶと、「決戦中は集中切らせないから、あまり見てなかったけどさ、コーラルってアクィお母さんみたいなのに、イブお母さんにも見えるし、しかもイブお母さんみたいにグラマラスで素敵だね。ヴァンとはデートした?してないなら地下喫茶に行かない?エスコートしてあげる」と言い、グラスにも「お互い召喚術で呼ばれた身だし、一夜の愛とか語らない?」と、グラスに関しては肩に手をかけて言おうとして、リナからわりかし本気目に睨まれて、殺気を感じたコードは「えぇ…ダメ?じゃあお母さんが行く?お母さんも若いと凄い綺麗だから、僕は無問題だよ」と実母のリナまで口説く。


ミチトが睨もうがアクィが睨もうがお構いなしの無敵の人。


グラスは壊れ気味に「姉様!ドキドキします!助けて!」と言ってコーラルに抱きついてしまっていて、その美女と美少女が絡む姿に、コードが「おお、凄い」と言って喜び笑う。


トゥモは「笑い事じゃねーよ」と呆れるが、コードから「とりあえずナンパに行こうヘマタイト」と強く言われて、処理不能で壊れたヘマタイトは「無理です!僕は王都で顔が知られていて!しかもお爺様からは根回しのためのマナーやエスコートは学んでいますが、特定の女性とのお付き合いは習っておりません!」と言ってしまい、ジト目のコーラル、アクィ、イブ、ライブに睨まれるオブシダンに、あちゃーという顔で同情するリナ。


白い顔のオブシダンが「へ…ヘマタイト?何を言ってるんだお前は?」と言っても手遅れ。


流石のトゥモまで「お前、終わったわ。俺はそこまでじゃない。ロゼとマアルの仲を見て悪くないと思ったが、自分に重ねてみた時、1人で術の訓練をしたいのに、足手まといに近いマアルを見て、恋愛は無理って思えたし、コードがやる沢山の女の子達の付き合いを見ても、パパみたいでなんか違うって思えたから、邪魔にならなくてキチンと術を極めたい俺の気持ちを汲んでくれる運命の相手を求めた。だから俺は晩婚だが子供達には全部話して好きにさせたぞ?」と言うと、コードを見て「コード、ヘマタイト鍛えて、オブシダンの説教はコーラル達に任せる」と仕切り出した。


コードは「んー…、ナンパはハードルが高いのか、魂の概念を見つけないと呼べないんだっけ?お父さんなら呼べるか」と呟くと、ヘマタイトに「少し鍛えてやるから、ビビることはないよ。女の子ってすごく可愛くて、すごく柔らかくて、沢山の幸せをくれるし、守りたくなるんだ。キチンと触れ合って慣れて大切さを知ったら、そんな子達のいるこの国をよくしようと思うんだ」とミチトが見せるような顔で言うと、ヘマタイトはコードの人となりに触れて「はい」と素直に返事をしていた。


ミチトが心配そうに「コード?君は何を考えたんだい?」と聞くと、コードはミチトが見せるような顔で「本当はシアやフユィやベリルがいいんだけど」と言う。


「ヘマタイトの女の子への耐性付けに呼ばせて、地下喫茶に行かせたらお父さんブチギレだよね?」

「勿論だろ?ヘマタイト相手に殺害訓練していいならまだしも無対価はやだよ」


ミチトはヘマタイトに向けて圧どころか明確な殺意を向けていて、王都の天候まで悪くなる。


浴びた事のない殺意にガタガタとヘマタイトが震える中、笑ったコードは「だからさ、ある程度の理解がある女の子達と地下喫茶に行ってくるよ。お父さんの奢り券って今も有効?」と聞くと、ヘマタイトが「陛下から新調されました」と答える。


「よし、最後の1人はヴァンに頼むとして、とりあえずロワとアタリーとシャイニング姉ちゃんを呼んでよ」

「…イチャイチャってどこまでやらせるの?」

「肩組んでお酒飲むのと、ご飯をアーンってやって貰うだけだよ」

「絶対だよ?」


ミチトはものすごい顔で「ロワ、アタリー、シャイニング、来て」と呼ぶと全員が25歳。

コードは嬉しそうに「ロワ!アタリー!シャイニング姉ちゃん!」と抱きつくと3人とも「コード?ここどこなの?私たち若くない?」と返してきて、ザッと説明しながら「トゥモとロゼの子孫のヘマタイトなんだけどさ、女の子との触れ合いもないまま29歳なんだって、可哀想だし、血が途絶えちゃうのも良くないから彼女を作ってほしいんだ。その為に女の子って可愛いんだぞってのを教えて欲しいんだよね」と言うと、ロワとアタリーに至っては貴族の娘なのに「いいよ」、「うん。一緒にデートすれば良いんだよね?」と言っていて、シャイニングは「私はコードとイチャイチャしたいなぁ」と言ってミチト達の前なのにコードに甘える。


「うん。後は、若いから会いたい子が居るんだ。最後の奥さん」と言って真面目な顔をしたコードは、「ヴァン、僕の最後の奥さん、ユーナ達のご先祖様なんだけど、魂の概念って見つけられる?」とヴァンに聞く。


「…シーシーからヤァホイさんは出来たから大丈夫だと思うけど、トゥモに少し手伝ってもらうよ」


トゥモに、遺品のない状況での魂の概念の探し方を、自分なりに解釈した方法を見せながら師事を受けたヴァンは「見つけた。この人だ…ペトラさんの曾祖母さん」と言うと、「呼ぶねコード」と言ってから、「召喚術!五式!ダリア・スティエット!」と唱えると、リナにも似ている雰囲気のオッハーの顔立ちをした女性が現れた。


「ここ?」と驚きながらもコードを見て「マスター?」と呼ぶ。

「ダリアは驚くとすぐにマスターで呼ぶね」と言って抱きしめながら、「僕だよ。若いからわからない?」と優しく聞くと、ダリアは「凄い。奇跡?わかるよ!コードの目はいつもキラキラ綺麗だもん」と言ってコードを抱きしめて泣いた。

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