第25話 入学式直後のJK母娘を襲う天国

 レイアウトなどの内装についても、すでに業者が入っており、細かな確認を俺にしてくるので、俺はここが落ち着くまで離れることができない。


 店舗の奥に事務所を構えて、クルーザーの乗員の地上勤務先にもなる。


 今後は、大使館などにクルーザーのレンタル事業も行うことになるらしいのだが、代理店業務よりもレンタル業務の方に比重が置かれていた。


 法人の儲けについては代理店業務で、クルーザーを一艘売上れば数年は大丈夫になるらしいが、すでに王兄殿下に一艘の売り上げが決まっている。


 ここが本格的に稼働し始めれば、最初の仕事は仕様決めで売り上げが立つことになっているから、少なくとも代理店については数年は問題ないそうだ。

 それよりも、ブルガン大使館の外交活動などに俺の乗るクルーザーが使われる予定で、そちらの方の決め事などもあり、そのあたり、事務所ができ次第、乗員たちと相談していくことになっている。

 その業務の合間を縫って、いよいよ俺たちの新居に引っ越しも決まった。


 新居は何とこのビルの隣の住居棟最上階のペントハウスだそうだ。

 ちなみに、このビルのオーナーがローレン殿下なのだと。

 俺が新居にビビっていると、アプリコットさんが「家賃については要りませんから心配しないでください」と教えてくれた。

 理由を聞いた時に、初めて殿下の所有だと聞かされた。

 うん、オイルマネーならあり得る話だ。


 しかし、あの殿下やることが半端ない、というかでたらめだ。

 こんな感じで今まで周りを巻き込んでいたからドバイでの評判が良くなかったのだろうな。


 新居が決まり、俺の個人所有の持ち物を取りに北海さんと一緒に大使館の倉庫に向かう。

 大使館傍にある業者倉庫に大使館が借りているスペースがあり、俺の持ち物もそこにしっかりと箱詰めされた状態で保管されていた。

 引っ越し業者が来ており、俺はただ指示を出すだけで引っ越しも終わった。


 俺の引っ越しと時を同じくして、同じ住居棟にはクルーザーの乗員たちの部屋も階下に用意されているそうで、彼女たちの引っ越しもしていたそうだ。

 こちらは国からの航空便で運ばれてきた荷物がこれまた引っ越し業者の手によりそれぞれの部屋に運ばれていく。


 とにかく今回の俺たちのことでも殿下は金に糸目をつけずにひたすら効率だけを考えて行動している。

 それでいて、すぐにやることがある訳でもない。

 事務所の開設などの仕事があるうちは忙しかったけど、それもひと段落がつくと、途端に暇になった。


 とにかく、俺は代理店の役員でもあるが、クルーザーの船長なのだから、クルーザーのメンテナンスと、乗員たちの訓練に時間を執った。

 そんなこんなでひと月近くがたち、幸さんの入学式当日を迎えた。

 俺は着飾った葵さんに思わず襲いそうになるのをかろうじて理性で抑えることに成功したら、今度は真新しい制服を着こんだ幸さんが目の前にいた。


 やばい、理性が飛びそうになるが、そこにアプリコットさんが俺のスーツを持ってきたことでとにかくこの場は収まった。


 俺たちはアプリコットさんが手配した車で幸さんの通う高校に向かった。

 高校までは目と鼻の先にとまではいわないけれど、歩いても20分とかからない距離だった。


 俺たちが現在住んでいるのは晴海の再開発地区だが、晴海の町は割と古くから開発がされていたので、まだまだ再開発に取り残された場所も多い。

 そんな古い街並みの中に幸さんが通う高校はあった。

 晴れて幸さんの新入学だ。


 入学式では葵さんが若く奇麗に見えるので、俺たちは目立ってしまったが、とにかく無事に入学式を終え、それぞれのクラスに保護者と一緒に向かった。

 そこで、幸さんの担任を紹介されたのだが、彼女の自己紹介では、妊婦のようで夏に副担任が担任に昇格が決まっている。


 妊婦さんにクラスを持たせるとか、俺に言わせると高校教師はとんだブラックな職場だと思ったのだが、幸いなことに幸さんが通う高校は都内でも屈指の進学校で、陰湿ないじめはあるのかもしれないが、クラスが崩壊するようなことは無いらしい。

 それでも、途中交代が分かっているのならば最初から副担任が担任すればいいとは思うのだが、俺に言わせれば途中から派遣社員に重要案件の商談を全部任せるようなものだと考えてしまう。

 そう考えてしまうのは俺だけだろうか。

 一応、副担任も夏以降に代用の教員が来るそうだが、それでもね~、どうしてもブラックに見えてしまうのは俺の性格のなせる業か。


 とにかく、入学式を無事に終え、俺たちはすぐに家に戻り、そのまま俺は二人を襲った。

 アプリコットが仕事から戻るまで、むさぼるように襲ったために、二人の着ていた服はとんでもないことになっている。

 幸い明日は学校が休みであったために、すぐにクリーニングに駆け込み事なきを得たが、俺はここで教訓を得た。


 いつでも襲えるように、制服は複数、それもかなり余裕を持たせて揃えようということだ。


 でも現役のしかも入学式を終えたばかりのJKをその母親と一緒に頂くなんて、なんて天国のような時間を過ごしたというのか。

 賢者タイムを終えて、俺はアプリコットさんとしっぽりと楽しんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る