第14話

安室奈美恵との偶然の出会いから数日後、藤堂は首里のカフェで手掛かりを整理していた。彼は安室の協力で得た新たな情報を基に、佐々木剛の組織の動向を追っていた。


ある日、藤堂は警察署の上層部から急遽呼び出されることになった。そこで、彼を待っていたのは県警本部の刑事部長だった。刑事部長は藤堂に対して厳しい表情で言った。


「藤堂、君の捜査が県警の注意を引いている。この事件の背後には多くの権力者が関与している可能性が高い。我々は君の安全を考慮して、捜査の指揮権を引き継ぐことにした」


藤堂は驚きと失望を隠せなかった。彼はこの事件の解決に全力を尽くしてきたが、上層部の介入により、その努力が無駄になるかもしれないと感じた。


「刑事部長、私にはまだ多くの手掛かりがあります。この事件を解決するためには、私が直接現場で動く必要があります」


 刑事部長はため息をつきながら答えた。「君の気持ちはわかる。しかし、上層部の判断だ。君にはこれ以上の危険を冒してほしくない」


 その夜、藤堂は悩みながら安室奈美恵に連絡を取った。彼女は藤堂の話を聞き、彼の決意を尊重することを約束した。


「藤堂さん、あなたがどれだけこの事件に真剣に取り組んでいるか、私にはよくわかります。でも、無理をしないでください。私もできる限りの協力をしますから」


**新たな展開**


 翌日、藤堂は独自に調査を続ける決意を固めた。彼は安室奈美恵の助けを借りて、首里の有力者たちに接触し、さらなる情報を集めることにした。その中で、藤堂は佐々木剛の組織が大きな違法取引を計画していることを突き止めた。


 藤堂はその情報を元に、密かに捜査を進めることにした。彼は安室奈美恵と連携し、組織の動きを監視し続けた。彼の目的は、違法取引の現場を押さえ、佐々木剛を含む組織の幹部たちを一網打尽にすることだった。


 ある晩、藤堂は安室奈美恵と共に、首里の港で行われる取引現場に潜入することに成功した。彼らは組織のメンバーが集まる中、隠れて様子を伺った。


**緊迫の瞬間**



藤堂は隠れた場所から、取引の進行状況を確認しながら、タイミングを見計らって行動を起こす準備をしていた。その時、組織のリーダーである佐々木剛が現場に現れた。彼は冷酷な表情で部下たちに指示を出し、取引を円滑に進めようとしていた。


藤堂は安室奈美恵に合図を送り、彼女はその場から安全な場所に移動した。そして藤堂は一瞬の隙を突いて、佐々木剛に向かって叫んだ。


「佐々木剛、お前の悪事はここで終わりだ!」


 佐々木剛は驚いた表情で藤堂を見たが、すぐに冷静さを取り戻し、銃を構えた。藤堂も銃を構え、二人の間に緊張が走った。


「藤堂、ここまで来たことは認めるが、君一人で何ができる?上層部も君を見捨てたんだ。」


 藤堂はその言葉に負けず、「俺は正義を信じている。お前のような悪党には屈しない!」と叫び、佐々木剛に向かって突進した。


 銃撃戦が再び始まり、藤堂は組織のメンバーと対峙しながら、佐々木剛を追い詰めていった。藤堂の正義感と勇気が、彼を最後の勝利へと導くかどうかは、この瞬間にかかっていた。


**結末**


藤堂は命をかけた戦いの中で、ついに佐々木剛を倒すことに成功した。警察も現場に到着し、組織のメンバーを次々と逮捕した。藤堂の努力は報われ、彼の捜査は正義の名のもとに完結した。


安室奈美恵は藤堂の無事を確認し、彼の勇敢な行動に感謝の意を表した。二人は首里の夜空を見上げながら、これからの新たな平和を願った。


事件は終わったが、藤堂の正義の心はこれからも変わらず、彼の新たな挑戦と冒険が続いていくことだろう。


 山童は佐々木が死んで、弱い奴だなと思った。首里での犠牲者はこれで6人。成仏するには残り3人の犠牲者が必要だ。


 事件の収束から数日後、藤堂は首里城の近くを歩いていた。捜査の緊張から解放され、彼はしばしの休息を楽しんでいた。しかし、彼の頭には依然として佐々木剛の組織の残党や、さらなる陰謀があるのではないかという不安が渦巻いていた。


 その晩、藤堂は安室奈美恵と再び会う約束をしていた。二人はカフェで会い、首里の美しい夜景を楽しむ予定だった。藤堂は少し早めにカフェに到着し、彼女を待っている間、将棋の本を開いて時間をつぶしていた。彼の視線は自然と「自陣角」という技法のページに止まった。この技は自陣の角を使って守りを固める戦術であり、まさに今の藤堂の心境に重なるものがあった。


 しばらくして、安室奈美恵が到着し、藤堂の隣に座った。彼女は藤堂が読んでいる本を見て微笑んだ。


「藤堂さん、将棋の本を読んでいるのね。まるであなたが自分自身を守るための新たな戦略を考えているみたい」


 藤堂は微笑み返しながら、「そうかもしれない。捜査が終わったとはいえ、心の中にはまだ解決すべき問題が残っているんだ」と答えた。


 二人はしばらくの間、首里の夜景を見ながら静かに過ごした。しかし、平和なひとときは長く続かなかった。突然、藤堂の携帯電話が鳴り響いた。画面には県警本部からの連絡が表示されていた。


「藤堂、すぐに本部に来てくれ。新たな事件が発生した」


 藤堂は深いため息をつきながら、電話を切った。「また仕事が始まるみたいだ」


 安室奈美恵は心配そうに藤堂を見つめた。「気をつけて、藤堂さん。また何かあったらいつでも連絡して」


藤堂は彼女に感謝の意を示し、急いで本部に向かった。到着すると、上司から新たな事件の詳細を聞かされた。今回の被害者は将棋界の有名な棋士、田村正人であり、その遺体は「鬼殺し」の形で倒れていたという。


藤堂はすぐに現場に向かった。田村の遺体は自宅の将棋盤の前で発見され、まるで最後の一手を指したまま倒れていた。部屋には何者かが侵入した形跡があり、まさにプロの仕業であることが明

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