親友達と誕生日
舞の誕生日当日、陸は自分の家にいた。
「なんで、俺の家集合なんだ?まぁいいけどさ....」
昨日の夜、太郎と舞から「午前中、陸の家で誕生日パーティするから」とメールが来たのだ。
もちろん、「なんでや!?」と反論したのだが、「いいじゃん」の一言にまぁいいかと思い、そのままの流れでこうなった。
「...とりあえず、これは隠しておいて...届いた物を誕生日のようにしといてよし...!」
準備を終わらせた陸はぼーっと2人が来るのを待っていると、30分後、ドタドタと階段を登ってくる音が聞こえてきた。
「きたぞー!」
2人が入ってくると同時に、太郎が大声を上げる。
「近所迷惑」
舞は冷たい目で太郎の方を見る。
「すまんすまん...」
「元気いいね〜」
「何よ急に....で、これがプレゼントなの?」
舞は目の前にあるダンボールの箱の方をじっと観ながら、平常心を装い陸に聞く。
「そうだよ、開けてあけて」
「なら早速....」
舞は好きな人からのプレゼントに、内心ワクワクしながらダンボールを開ける。
中には、風華Projectの主人公である、山風 陽菜というキャラの巫女服コスプレ衣装が入っていた。
「....なにこれ」
「コスプレ衣装、似合うかなって」
舞は少し俯く。
陸はその後、舞がどんな反応するかワクワクしていると、舞はそっと無言のまま立って部屋から出ていってしまう。
「...まずかった...?」
陸は太郎の方を見て、少し涙目になりなが聞く。
「いや、大丈夫じゃね?」
太郎の答えに陸は「え?」っと、声をこぼした。
太郎には見えていたのだ、舞の顔が赤面しながらびっくりしていたのが、その後恥ずかしながらも何か覚悟を決めたようなキリッとした顔になったのを。
(面白そうだから言わんどこ)
少しして部屋のドアが開く。
「ど、どう...///」
そこには赤面しながらも、堂々と立っている舞が居た。
「可愛いぞ〜」
太郎はニヤニヤしながらそう答える。一方陸は何も言わず舞の方を見ていた。
「...な、なにかいいなさいよ////」
「巫女服...偉大....ゴフッ」
急に陸が倒れ、舞は慌てて陸の方に向かおうとするが太郎に停められる。
「悪化するからやめとけ」
「...そ、そうね..///着替えてくるわ//」
本人も恥ずかしさがピークに立っていたのか、舞はそそくさと部屋から出ていく。
太郎は陸に近ずくと、変な事を言い始める。
「100万あったら何したい?」
「うどんを食う!」
その言葉に反応するように、陸は目を覚まして体を起こした。
「ありがとな」
「これくらい普通、普通」
「...なぁ...」
「どした?」
陸は片手で顔を抑えて、太郎に聞く。
「....いつも通りのテンションで行けるかな...?」
よく見ると、陸の耳先が赤くなってるのが見える。
「行けるだろ」
太郎は知ってる、こいつがそんな簡単に態度変わるのなら、もう既に舞と付き合ってるということに、何ならこいつはこんぐらいしないと反応しないということに。
とりあえず陸は深呼吸をしていつもの調子に無理やり戻すと、枚が戻ってくるまで待っているのだった。
「...感想ないの?....」
「はい、くっそ可愛かったです、写真とりたいじんせいでした」
戻ってきた舞の一言に、陸は思った事を素直に伝える。
「ふ、ふーん...//」
(はよ付き合えよこいつら!)
2人の会話を聞いてて太郎はそう強く思う。
「あ、そうそう、さっきのはイタズラプレゼントでこっちが本命ね」
陸はそういうと、クローゼットからクレーンゲームで取ったぬいぐるみと小さな袋を渡す。
「なんで3つも?」
「俺一つしか用意てなかったぞ!?」
「コスプレ服はイタズラプレゼントだからノーカンだ!ぬいぐるみは、そういえば舞はそう言う可愛いの持ってなかったなと思ったからだ!」
「確かに持ってなかったわね...その..ありがと」
舞はぬいぐるみを強く抱き締める。
「それで、もう1つは何なんだい?陸の兄さんや」
「ほら、18歳になるじゃん?だからこれからも一緒に居てくださいって事で」
その言葉に舞は黙り込む。
「...り、りくさんや、りくさんや」
太郎はこいつやべえなと思って声をかける。
「? どしたんだい?太郎さん」
「それは友達としてだよな?」
「そうだけど」
「び、びっくりしたじゃない!」
固まっていた舞が息を吹き返す。
「まぁまぁ...中身、確認どうぞ」
陸に急かされたため、舞は小さな袋を開けると、そこには、小さなひまわりがついてるヘアピンが入っていた。
「やっぱり、舞にはひまわりがにあうかなって」
「ありがとう」
舞は笑顔で感謝をする。
(...この笑顔すきだな...)
舞はしばらくそのヘアピンを眺めて、大切に袋の中に入れ直す。
そして太郎が誕生日プレゼントを渡すターンになる。
「さぁ!俺のプレゼントターンだ!」
太郎がそう言いながらバックに手を突っ込むと、そこからハリセンが出てきた。太郎はハリセンを舞に無理やり渡す。
「....なにこれ」
「ツッコミハリセン」
「....ばっかじゃないの!?」
舞はそう言い放ち、太郎の頭を思いっきりハリセンで叩くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます