第46話 ギガダンジョンの真実
꧁————前話あらすじ————꧂
レイはルナに諭した。 そこに『自分のいる意味』を見出せない時、納得出来ない人生となると。
「例え結果が望みと違ったとしても『自分のいる意味』を強く感じられて悔いなく行動出来ればきっと納得出来るものになる……そう、『自分を肯定出来る』筈なんだよ……」
その言葉はルナのトラウマをえぐる。 前世で兄を救えなかった無念が再び葛藤を呼び覚ます。
それぞれが乗り越えるべき課題を抱えて異世界へと送られて来た者たち。 ルナはこの自分のどうにもならないトラウマに苛立ち捕われる。
ところが直後、レイからのある情報によりそれが吹き飛ぶ。それはルナの
只でさえ兄に酷似しているその人……しかも偶然なのか2度もこの世界で命を救ってくれたファスタ―。
その情報はルナに秘めた想いを芽生させた。
꧁——————————————꧂
<本文>
北の果て、ギガダンジョン。
空から見るそれは小国がスッポリ入る程の大きさでポッカリ口を広げた超巨大クレーター。
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093076367396715
そこへ遥か遠くから飛来する美しき女戦士。何時になく神妙な面持ちで臨むエマが
「いよいよ敵地で仇討ちが始まる……父さん、母さん……」
今や完全に再興されたダンジョンへの苛立ち。更に巻き返されている事実が許し難い。
「ここで暴れりゃ良いのか……にしてもなんてデカイ穴なんだ……数百キロはあるか……中には多種、無数の怪物達が居るらしい。
ま、ステータスを上げるのにちょうどいい。ヤバけりゃ逃げ足だって誰より早い訳だし……さあて、キモ試しに行ってくっか!!」
雷鳴一閃。クレーター中心の上空へ電化移動し、遥か上空から見下ろすと穴の中は広大な大地。山、丘、魔物の巣で満ち、その巨穴からゾロゾロ這い出てく異形達。
……これが第一層か……正に一つの国だな……ヤツラが地上でワルサを……いくら殺ってもキリない訳だ。んで、中央に数十キロの穴。
あの中が第二層、レイさんが行った所。そこでショックを受けて帰ってきた……そっちが見たい。ザコ相手じゃつまんねぇ
「アタシらしくイキナリ第二層、拝ませてもらおうかっ!」
亜光速で第二層の空間中央へ現れて、浮遊したままその様子に違和感を覚える。
ここが第二層……
縦横にこれ程の巨大な空間、よく第一層が崩落しないな。かなり深い所なのか……
んっ、無い!
確か6層目で支配者を倒した『かの伝説』では垂直に続く大穴が空いてると聞いたが……とすると穴は仮に塞いである? まさか……
エマの片目が異様に光り出した。
底部中央の地からまるで山の様に盛り上がりドーム状に顔をのぞかせる直径千メートル程の灼熱に焼け付くマグマの塊の如き超巨大な球塊。
その威容に暫く茫然と眺め続けるエマ。
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093076367400966
何故ならまるで太陽が地底に半分めり込んで存在してるような光景だったからだ。
その巨大熱球のそこかしこから炎の触手が生み出されては戻って消える。さながら太陽のプロミネンスの如く。
なっ……アタシの魔眼が全開に反応してる!……
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093084185756643
あれは
かつて300M超級のバケモンを《超核分裂》〈ヌークリヤディビジョン〉で葬ったレイメイBROSでさえ手も足も出ずに帰って来たわけだ……
成る程コレが第二層の絶対防御か……
苦い顔で全てを悟ったエマ。径1000mのマグマ怪物では核攻撃でも通用しない。ましてや雷撃では蚊がさすのに等しい。突破は百パーセント無理だ……と。
「ちっ、だがこれじゃオモシロくねえ、経験値だけでも上げてかねえと来た意味もない。
取りあえず何やらいろんなのが飛んで来やがったから暴れさせてもらうとするか!」
音速レベルで飛び交う
「少しでも多くを倒してステータス上げてくかぁ! まずは穴の中のヤツらの事だ、どうせ光に弱いヤツらが多いんだろ、なら手始めに目潰しだ! 電光魔術・最大光量っ!」
〈フラッシュメルトォ!〉
音もなく十秒程も太陽の如く眩い光球と化すエマ。高感度の目を持つ地下の異形や魔鳥類群は視覚を焼かれ、方向を失って無茶苦茶に飛び狂う。
だが目の退化した魔物の強襲が。
「ンで、暗所で聴覚頼みのヤツらには、エアー雷撃! 鼓膜破りの……』
〈サンダーデトネイ卜!〉
魔剣が発動するまるで巨大爆弾が耳元で連続暴発したかの如き雷鳴の轟音。
それが立て続けに響き、第二層全体に耳を
フン!こんなんだけでも何千匹と落っこってく……「さあ、そろそろ強いのが来んだろ」
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093084185763209
悠然とやって来る百M級の邪竜。光る巨大なつり目の瞳孔は縦に鋭く閉じて睨んでいる。
まだ距離がある、と気を抜いていると――――
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093084185771931
突如吐いた青白い高速炎が
ボフォアァァァ―――ッ
と超広角かつ遠距離まで及ぶ。別族の魔怪鳥が数百体も蒸発。
「おっと、アタシじゃなきゃ逃げられなかったな、さすが第二層……まずはコイツに……」
〈雷撃、十・連・発っ!〉
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093076234295686
耳元で激しい勢いで何かが爆裂する様な響き。頭から尾部までの10連撃でブ厚い皮膚は大きく裂けて焦げ付くが、邪竜の魔力で超速回復。
悠然と向きを変えて向かって来る。
「やはりな、ま、雷雲の中でも生きる種族だ……ならこれはどうだっ、フンッ!」
『バチィッ』と一閃、電化で瞬動、邪竜の頭に仁王立ち。光る魔眼の威を妖しく輝く魔剣エレクトラへと遷して数倍に巨大化させ、その脳天に深々突き立てる。
〈ズクワァッ〉
ギアァ―――――――ッ!
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093076367405283
耳を
〈
ヴヴヴヴ……ジジジ……ヴヴヴヴ……
巨大な体躯のブ厚い皮膚のそこかしこから漏れ出るプラズマのスパーク。内側からその全てを電磁焼きし尽くして巨剣を引抜く。
脳死したそれを無下に蹴り落とすと、邪竜はその眼と口から白煙を上げてゆっくり墜落して行く。
息つく間も無く現れたのは魔力ステータス60万の高位魔導師。いきなり百分身の幻術で一斉に詰め寄る。
と、敵は幻術だがエマは全てが実体、相手の防御のカマに剣が当たったその実体のみに集中攻撃、
「こいつだぁ! 〈雷撃っ!〉」
雷獣を瞬時に数匹召喚し、食電吸収させる魔導師。
口元がニヤリと歪んでいる。
「フッ、余裕かしましてんじゃねえかっ、ならァァ!!」
その魔眼から最高潮にギンッと魔光が放たれると、搖れたその残像が消える間も無く、最大に振りかぶった巨大化エレクトラから
〈〈重・雷・撃っ!!〉〉
一呼吸程の間で百連発の多重攻撃
一瞬、地下第二層全体が眼前の
地底のマグマ怪物へ飲み込まれ行くコゲ屑らを宙から見下ろして
「百連発、
静まり返る第2層。
そしてそこへ何の気配もなく、
ス……
と現れた白き端正な顔立ちの無音の戦士・アンドロジャナス。
[ ▼挿絵 ]
https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093084185778627
互いに大剣を背負い対峙する。
< continue to next time >
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スーパーサイキック族・アンドロジャナスに対抗し得る魔法師エマ。このルナの希望の光へ応援頂けるなら ☆・♡・フォローのタップにて宜しくお願いします。
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イメージBGM (youtube)
▼ Another World
https://youtu.be/yHIMW0BRqGE
(余りに圧倒的なスーパーラヴァに出くわした驚愕を表せる唯一の曲)
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