く400枚超イラストノベル> 異世界でチート超人になったら人生とり戻せますか? 褒めて貰えますか? ~ダブルジェンダー転生記

深宙 啓 (Kei misora)

第一章 <起> 廻り出す運命

第1話 これは予知夢なのか~ 少女の決意





はじめに


当イラストノベルは400枚を超えるシーンのイラストが挿絵となっています。それが邪魔な方は挿絵リンクを無視してカクヨムで読んで下さい。


逆にイラストを楽しんで頂ける方は、その都度リンクを辿るのは余りにも手間なので、文中表示された『なろう』でお楽しみ下さい。

まるで臨場感の違う体験ができると思います。



▼イラスト抜粋イメージコラージュ

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093079520576916






▼なろうへ (文中イラスト表示希望の方はコチラ)

https://ncode.syosetu.com/n4543iv/












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▼表紙絵

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16817330660621590719




全76話











扉絵1 (LUNA)

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093078013451461

(第67話シーン)





扉絵2 (EMMA)

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093077784093668

(第66話シーン)




扉絵3 (LUCA)

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093076663994153

(第52話シーン)





扉絵4 (sophie)

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093076367436742

(第50話シーン)








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心の壊れたこの少女が異世界での闘いの果てに見つけたものが何だったのか……。

転生で万倍を超える速度とパワーを得て、その世界救済にバトルで挑む少女。


これも何かのご縁なので一緒に見届けて貰えると嬉しいです。






。:+* ゜ ゜゜ +:。.。:+ ゜ ゜゜ +:。.。.。:+ ゜ ゜゜ *+




+* ゜ ゜゜ +:。.。:+ ゜ ゜゜ +:。.。.。




+゜ ゜゜ +:。.。:+





<プロローグ>



 紅蓮に染まる灼熱の世界の中、その少女は人智を超えたスピードで壮絶に戦っていた。


 人々の未来を懸けて、最高の相棒バディと共に。




▼挿絵

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093079520581873






 数時間に及んだ闘いにケリを付けるべく、残りの力を振り絞る。


 その敵の不可視の移動と攻撃。それを捉えるべく、感覚をに研ぎ澄ます。そうするほどに時の流れが恐ろしく緩んで感じる。

 全てが数万分の一のスローモーションのよう。


 だが、万倍速でも捉えきれぬ瞬間移動。


 その逆に、相棒バディとのテレパスでの脳内のやり取りは、全てが一瞬だ。

 祈る様な姿勢で背後から感覚加力する相棒バディ

 超絶スキルが流れ込みチャンスを探る。


 スゴイ! この敵ですら次第に動きが掴めてくる……この一手に全てをかける!

 ……お兄ちゃん、どうか見守ってて下さい!


《ねえ、お願い! キミの全部の力を貸してっ!! 》


 求められたその美しき相棒バディが応える。

《任せて! その光速級の攻撃力に私の超知覚読心と予知力が加われば無敵なハズッ!》


《今だっ!!》

《いっけぇ―――――っっ! 》



 その放たれた究極の一閃。 そして確かな手応え。

 見事な的中と敵の散る姿。


 その瞬間、脳内で二人の歓喜の念が衝突し、花火の様に炸裂した。



《やった――――――っ!!》



 だがその想いは天国から地獄へ。

 完全に予想外の眩い閃光。

 空間を歪める程のエネルギー。


 それは敵の撃破により巻き起こった巨大爆発。



《え?!……そんなっ ?! 今すぐ逃げてっ !! 》



 テレパスで懸命に乞い願うも無視され、その愛しき相方バディは瞬間移動で身を盾にしてかばってきた。それだけは何があってもやらない約束のはず。


《裏切り者―――っ》




▼挿絵

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093078174960481





 そう全力でなじったが聞く耳を持たず満足気に抱えられた。庇い返そうにも自分の体は体力尽きて動かない。迫りくる爆圧と死の覚悟。そして絶望。



 ああ、また一番大切なものを守れない……。

 この悔いだけはもう二度と受けたくなかったのに。



 失意の中、巨大なエネルギーに二人して呑まれてゆく。


 バラバラになる間際、冥土へと移りゆく意識の中で光の塊が飛び込んで来て自分と相方バディを包み込んだ。



 その一瞬、光の中に垣間見えた幻影。



▼挿絵

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093078174969722




 えっ !! お兄ちゃん?!

 今度こそ迎えに来てくれたの?

 もうお兄ちゃんの所へ行ってもいいの?……



 刹那、消え行く微かな意識と共に全てが真っ白な光の中に溶けていった――――




   * * *




 新緑を楽しむ様な小鳥のさえずりが聴こえる。


 ん? 鳥?……死後の世界?……


 揺れる春の木漏れ日にまぶたをくすぐられ、うたた寝から目覚める少女。長い睫毛と二重の瞼をゆっくり持ち上げ、伏した体を机から起こす。

 

 愛らしく整った小顔の頬に伝う雫。



▼挿絵

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093079520587103




 それをあご先から手の甲へ落としてぼんやり見つめた。



 ――― 夢か……


 あれ? 涙……泣いてた?


 『……やっぱりボクは……壊れてる……』


 にしてもすっごくヘンな世界だったな。

 妙にリアルだったし。

 それにあのラストシーン……。



 机上の少女は完全に夢から覚めて涙を拭う。そして兄が小学校の工作で作ったペン立てを見つめながらボヤく。




[ ▼挿絵 ]

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093075827722663




「でも、仕方無いよね。お兄ちゃん……。

 このは決して晴れる事は無いんだよ……それでも……」




―――助けないで欲しかった。

 ボクなんて助けないで欲しかった……

 ……どうしてボクが生き残ってしまったんだ……  




 アクリル製のペン立てには月と星のマークが彫刻されていた。それを愛しそうになぞりながら、



 ……ボクは一星いちせお兄ちゃんを恨んでいる。全てを失った4年前のの日から。

 そう、ずっと……。


 高1になった今でも、あなたを忘れた日なんか一日だってない……

 ボクの命より大切だった人……。




 この少女、ルナは中学時代の大半を引きこもりに費やし闇落ちしていた。


 ……ボクが弱い女の子じゃなければ、お兄ちゃんを守ってあげれたのに……



 ルナはその弱さを自分が女子であるせいにしていた。自分を事故から守った兄の中に強き『おとこ』を見出し、そんな存在に成りたいと固執していた。


 とは言え女子である事を完全否定するのもはばかられた。か弱き存在だったからこそ、兄は心底大切にしてくれたのだから。


 そう、『可愛い妹』のままで居たい想いと、『強い漢』に成りたいとの矛盾にいつも振り回されていた。

 


 そんなルナが遂に一年近く前に一大決心。

 により粉々に壊れた心とトラウマを封印して、生まれ変わる事にした。


 ――― 失った人生を取り戻すために。




「だからもっとちゃんと元気系女子にならないと。……でもちっとも上手く出来てないなぁ」


 ああ、やっぱ何をやっても不器用だ……




 放課後、とあるライフワークの為に着替えに帰宅し、机で軽く仮眠をとって夢を見ていたのだ。

 気を改め立ち上がり、制服を脱いで身支度する美少女。


 外に出て大きく息を吸うと、その瞳に光が灯り遥か彼方へと目を運ぶ。若干上がった眉がパチリとしたまなこを凛々しく飾る。



 でも、成るんだ。あなたのように弱い者を助け、守る人に。そしてやらなきゃならない……

『恩返し』を。

 いつか人生を取り戻せたと思えるまで……。


 きっとお兄ちゃんに誉めて貰える位になるから。

 そしたら少しは恨まずに居られるのかな。


「だから見ててね。今日も行くよ!」


 少女は決意を固め立上がる。





 そのとあるライフワークとは――――



========================

『そのいじめ、解決します――――秘密厳守。

 通りすがりのおせっかいとして無関係を徹底して装い、速やかに解決! しかも無料!』

========================




 クラウド型簡易ホームページの見出し。

 そしてWeb掲示板にも掲げたそのタイトル。



 イジメ撲滅活動。



 少女は舞い込む依頼に今日も応じて颯爽と出向いてゆく。


「そんなヤツら、まとめてお仕置きだっ!!」



 得意の空手による成敗。イジメ加害中の現場を押さえると、有無を言わさずフルボッコ。『やられる側になってみろ』と完膚無きまでに叩きのめし、再犯する意欲ごと粉砕して去って行く。

 毎度、帰途では夕空に向けて兄へと成果を報告。




[ ▼挿絵 ]

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093079520591066



「今日も人助け頑張ったよ。褒めてくれるかナ……」




 すると奇妙な老婆がどこからとも無く現れて話しかけてきた。



[ ▼挿絵 ]

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16818093079520595671



「おお、アンタ、死相が出てるよ!」

「ん? えっ……ボ、ボクの事っ?」


「そうじゃ。アンタ、日々善き事をしてるね、エラいが道中ばで終わるよ。多分恩返しか何かのつもりだろうがそれは近い内に頓挫するじゃろ。人生を取り戻せぬまま」


「な、何を根拠に」


「信じぬのは自由。足掻くのも自由。ま、それでも予言は当たるじゃろうて……可哀想に。道中ばでな」


「それはイヤだっ! 」

 ……お兄ちゃんに恩返しすると決心したのに運命の事故に断たれた。だからもうそんな事は!


「じゃが一つ回避の方法がある。アンタ、異常にカワイイ者が好きじゃろ」


 肩をすくめ、ギクッと狼狽えたルナ。


「アンタは色々あったせいで心も頭も壊れてるようじゃ」

「今、って言った? 失礼なっ」

「ヒヒ、スマンの。ま、でも心が壊れて価値観も混乱しとる。だから女子に声かけとるじゃろが」


「え……って知ってるの? しかも29回連続で失敗してるのを ?!」


「さあ。ならそのままカノジョを作るコ卜じゃ……とにかく彼氏だけは作ってはならぬ。そうなれば即、あの世行きさね」


「な、なら大丈夫。ボク……今は男の人、そう言う目で見れないから」


 ……だって、ボクの心には……兄さんしか……


「どうだか。ま、警告したゾ」


 そう言って老婆は去って行った。『ヘンなの』とボヤいたルナ。


 ……確かに壊れてしまったボクは色々と倒錯してる……けど『可愛い』モノに異常に執着してしまうのは仕方ないんだよ……。



 はぁ……と溜め息と共に気を取り直して顔を上げる。



「ま、明日も人助け頑張るぞぉ」


 とそう言って、ランニングで家路についた。









< continue to next time >







――――――――――――――――――――


◆ この作品は文庫本1.5冊くらいで完結です。結末へ向けて後半は怒涛の展開、普通の異世界物とはかなり異なった内容となります。


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もし、こんなルナが報われる日が来るのを応援しても良いと思う方は、♡、☆、フォローいただけると嬉しいです。





▼イメージイラスト

https://kakuyomu.jp/users/kei-star/news/16817330662196267362

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