異界機塔 ベルザード 〜俺たちは異世界で侵略者共を滅す〜

@tatatntatatata

プロローグ

一人の少女と一人の魔族が玉座の間に立つ。

部屋は暗く、月の光のみだけが両者の視界の頼りであった。

少女の表情はとても引き攣っており、対して魔族は軽蔑の目で少女を睨んでいた。

静かなる時の中、最初に口を開いたのは魔族だった。

「何故貴様は怒っている、なぜ貴様は剣を握っている、貴様がこの地にいる理由は何だった、もしや飼い慣らされたか?」

対して少女は言い返す。

「なんのことです、私は仲間たちの犠牲を、意思を、その全てを確かに必要だったといえるようにするためにここにいます。」

少女の発言で魔族の表情に嘲笑が含まれた。

「貴様がそれを言うとは、、、、、皮肉だな。ならば来るといい、相手をしてやる。」

魔族は自身の身長をはるかに越える長さの斧を構える。

対して少女は二本の血塗れの大剣。

「今日ここで貴方の首を貰い受けます、魔王!」

「ここで惨めたらしく破壊されるといい、人間の英雄よ!」

英雄と呼ばれた少女の刃と魔王と呼ばれた魔族の刃が交わろうとした時。

突如として月の光しかなかった玉座の間に新たな光が現れた。

その光は両者を包み、そのままその両者と共に消え去ってしまった。



世界は変わり魔族もおらず科学の進んだ世界、その星の各国ではとある侵略者に対抗するための新兵器が建造されていた。

その兵器とは地球で新たに発見された微小の物質「魔粒子」をエネルギーとして利用するロボット「バベルマシン」である。

そのロボットの搭乗者の一人「高木立人」空の戦場にいた。

相手はその侵略者である。

侵略者は巨大な機械に身を包んでおりその正体を目視することはできない。

そんな侵略者が50余りの群れで高木の駆るゴツく龍を模し、溶岩のように赤い機体「ドラグトゥリ」に迫り来る。

「来やがったなデカブツ。」

ドラグトゥリから20代前後の青年の声が響く。

「こいつは挨拶だ、くらいやがれ"パイルッバンカーーー!!!"」

すかさずドラグトゥリは迫り来る侵略者の1機に近づき、腕から出る杭を打ち付けた。

打ち付けられた侵略者の機体は土手っ腹に風穴を開けられたことによりコアが暴走し始める。

そこにドラグトゥリは5,6体ほどの侵略者の小さな塊に向かって蹴り飛ばした。

その侵略者の群れは蹴り飛ばされた機体のコアの爆発により、連鎖的に爆発してしまった。

二体で攻めてくる時には二体を両手で掴み、その掴んだ機体同士を叩きつけ、遠くから射撃してくる時は持ち前の機動力を生かし弾を避け近接に持ち込んだ。

そして50余りの数がいた群れは気づけば残り一体になってしまっていた。

「どうした、いくら大群でも一体一体が雑魚だとその程度か!これで仕舞いだ、"パイルッバン、、何!?」

残りの一体にトドメを刺そうとした時謎の力に引き寄せられてしまう。

「ぐおぉなんだこれは俺の機体が、ドラグトゥリが動かねぇ、どこだ!どこにいる!こんなもん取っ払ってすぐに、、ぐあぁぁぁあ。」

抵抗虚しく、高木立人はドラグトゥリと共に謎の力に吸い込まれてしまった。



高木が目を覚ますと、そこには地面一面の草原が広がっており、数体のバベルマシンと数体の侵略者がこの地で戦闘を繰り広げていた。

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